2組のスピーカーを並べて置くとお互いが邪魔をする
ダイヤートーンP-610のフルレンジスピーカーと、その外側にはウイーンアコースティックのフロアースタンダーが並んでいます。それらスピーカーベースに使われている素材や構造を尋ねてみました。合板を鉄板でサンドイッチにしているのだそうです。
そのベースの良し悪しは別にして、このような置き方をすると、近接する重たいベースがスピーカーの音楽振動エネルギーを扇ぎ煽り、美しく鳴ってしかるべきはずの楽器の音色を混迷混濁した音に歪曲してしまうのです。
また、この両スピーカーは全く反対の音がするので、いずれのスピーカーを聴いても、「どちらが正しい方に近いのだろう?!」と、脳内で無意識の内に比較メカニズムが働き、嘘臭さを感じてしまう不幸な巡り合わせを持っています。
このまま2本をクリニックしても、どちらも30点位にしかならないので、音楽を聴く喜びであり感動を体感して貰うのは不可能です。「どちらか一方に絞ってセッティングするのが、今日のセミナーが価値ある”一期一会”になると思います」。
真実こそ、言い難い事こそ、言わなければなりません
音楽の真の感動を己が手に掴んで頂く為には、真実こそ、言い難い事こそ、言わなければなりません。「音楽の喜びと魂を届けるメッセンジャーでありたい!」と願う気持ちがそうさせるのですが、ごくごく稀ではありますが、誤解やあつれきに繋がる事もあります。
さりとて当たり障りのない事で済まそうものなら、お互いにとって何のメリットもありません。今回は故郷への恩返しということが私の大命題になっていますから、感じた事、思った事は正直に述べるしかありません。
「午後からはもう1件クリニックがあって、それほど充分な時間はありません」
「今後の貴方の為でもあります。どちらか1本にして下さい」
半ば強引とも思える迫り方です。
『分りました!、ダイヤトーンでお願いします!』
「了解しました!、そうと決まればウイーンを廊下に出しましょう」
皆さん手分けしてあっという間に運び出しました。ちょっぴりT.Yさんの顔には未練が・・・。しかし、ここは心を鬼にして見て見ぬ振りして進めましょう。
クリニックは息子主導で行います。
「この状態で聴いてみて下さい!」
「窮屈そうに鳴っていたのが楽々と鳴り始めたでしょう?」
一同なるほどと納得顔。
ここから先のクリニックの様子は、同席のH.OさんがRYOさんのブログに手記を寄せて頂いたり、T.Yさんがご自身のブログにその模様を冷や汗かきながら面白おかしく書いて下さったのでご覧になって下さい。
cantea邸 オーディオクリニック
http://contakuto.exblog.jp/15196129/
カイザーサウンドがやってきた 前編
http://kyousyuku.exblog.jp/11957905/
カイザーサウンドがやってきた 後編
http://kyousyuku.exblog.jp/11961980/
クリニックを終えて
http://kyousyuku.exblog.jp/11978533/
私自身のコメントも追記という形で、時間を見つけてもう少し具体的に書くつもりでいます。
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2度目の訪問・・・ミラクルサウンドシャワーで、P-610(ロクハン)の真髄を見た
「今日は秘密兵器を用意しております」と言ったきり、T.Yさんには部屋に入ってしばらくしても隠していました。それより、部屋に入るなり、「音悪そうやねぇ〜〜、このセッティングは!」と、聴く前からキツイ先制パンチを放ってしまったのです。
『駄目ですか!?、自分なりに一生懸命やったんですが・・・』
無料クリニック以来何度も電話でコミュニケーションを交わし、我が息子のように思っているから言える事です。「3ヶ月ぶりですねぇ、加速度組み立てしたアンプの音はどんな具合なんでしょうかね〜?」。
「伊代ちゃん行ってみようか?」
T.Yさんはアイドル世代真っ只中、アイドル命の人です。
「やっぱりアカンよ、これは!」
「ピタリと合っているけど、全てが音が谷間に入ってしまっている」。
「だから音に生気が無いのよ」
すると、息子が気を利かせて、ささっと数センチスピーカーを動かす。
『あぁ本当だ!、全然違う!』
『じらさないで、秘密兵器とやらを見せて下さいよ!』
「じゃぁ!」と言って、黒い布製のバッグからおもむろに取り出したのは、40センチほどの木の棒と細長い数ミリの金属棒です。あっけに取られたT.Yさんの口から思わず出た言葉が・・・。
『何ですか!それっ?・・・』でした。
頼りなげなその材料に、拍子抜けしたのでしょう。
「これはですね、ミラクルサウンドシャワーと言いまして、スピーカーから出た音と振動を音叉の共鳴原理を利用して生楽器の音に変える魔法のアイテムなんです」。
「今にその実力が分るから、楽しみにしていて下さい」。
「さぁ〜出来上がりましたよ!」。
「部屋のどこに置いて貰っても構いません」。
「それでは、お好きな曲をどうぞ!」
『うわっ!凄い!、何じゃこりゃ!』
『この変わり様!、信じられんわ〜』
『今までとは別もんですわぁ!』。
「O.K!じゃぁ、秘密兵器を部屋から出してみましょう」
『薄っぺらい情けない音!』
『これは一度聞いたら元には戻せないですねぇ』
『ところで、未だ値段を聞いていないので心臓に悪いんですけど、幾らなんですか?』
「値段よりも先ずはじっくりとその性能を確めて下さい。しかし、ここまでは未だ未だ小手調べの段階で、本番はこれからです。スパイクとスパイク受けのBASIEを付けると更に驚きますよ!」
「次はジャズのディスクをかけて貰いましょうか!」
「思いっきりボリュームを上げてみて下さい」
『うおオオォ〜〜!!、信じられん!この迫力!』
『これは凄い!、誰が聞いてもフルレンジ1発とは絶対に思えん音だ!』とは、同席していたALTEC A5のH.Oさんのコメントです。