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90歳にしてスピーカーRK-AL12/Gen2を購入

試聴記事(RK-AL12/Gen2)を読んで、即購入決意

N.W様はA.A誌にRK-AL12/Gen2の紹介記事が出てすぐに注文を下さった方なので、強い印象が残っていました。しかし、納品直前になって、『体調を崩したので日延べをして欲しい』との連絡を受けたのです。

それからしばらく連絡がなかったので、この話はお流れになるかも? と思ったりしましたが、幸いにも『健康になりつつあるので、改めて納品をお願いしたい』との依頼を頂きました。

訪問前日に掛けた電話で初めて知ったのですが、脳血栓を患ったそうです。思い当たる症状はあったのですか? とお尋ねすると、『めまいがして、立っていられなくなった』そうです。

最初はメニュエルと診断され、処方された薬を飲むも改善する様子がないので、精密検査を受けたところ脳血栓が判明したのだそうです。『どこが悪くなってもおかしくない歳だから・・』、と自嘲気味に話される中に達観された部分も感じました。


ローゼンクランツと90歳で出会う

N.W様は話し方にとても知性と貫禄があるので、只者ではないと思っていましたが、社員1,000人ほどの大きな会社を経営しておられた、という話を伺い納得した次第です。また、お年を伺うと『1月に90歳になりました』と聞かされ二度ビックリ。

私のお客様の最高齢は85歳でした。70歳を越すと色々な欲求が急激に減退しますが、90歳になっても、"このスピーカーが欲しい!"と思えるそのエネルギーが凄いと思いました。


"笑い顔"と"怒り顔"に大別出来る人の顔

高齢という言葉ですぐに思い出すのが、聖路加病院の日野原先生です。100歳を超えて現役でいらっしゃいますが、赤軍派に乗っ取られたよど号の乗客であった事も有名な話です。さすがにその時は死を覚悟したそうです。

それにしても、長生きされる方に共通しているのは人相が良い事です。しかめっ面の怒り顔の人が長生きしているケースは見受けません。人の顔は"笑い顔"と"怒り顔"の二つに大別出来ます。

私は怒り顔の部類に入ると思うので、"心を入れ替えなければ"と思い入った次第です。オーディオの仕事をしていると色々な方とお会い出来るので、とても勉強になります。よくよく考えると、大正10年生まれのN.W様は、私の母と同じ年だという事に気がつきました。さらに親身に感じます。 


スピーカーの設置

身の上話をしている内にスピーカーの組み立ても終わりました。いざ設置となったのですが、その寝室のスペースはベッドが大きく陣取り、机、オーディオ棚、本棚、小型冷蔵庫等で埋まっていますので、スピーカーは今まで置いてあったところに置くしかありません。

元々有ったパイン集成材の上に、エコスパイクとスパイク受けポイント・ベイシーでスタンドの足場を固めたので、RK-AL12/Gen2が力を発揮出来る下地が整いました。

信号ケーブルや電源ケーブルが機器付属の物だから一抹の心配があったのですが、いい感じで鳴ってくれました。このスピーカーは高価な機器を要求せず、どんな環境でも底堅い結果をもたらしてくれる安定感があります。

予想通り、このスピーカーはモノが違うね!

特にチェロとバイオリンの描き分けが素晴らしい!

私はベートーベンのバイオリンコンチェルトを聞いて音楽が好きになりました。だから、それだけでも十数枚はあります。ディスクの殆どがクラシックです。それにしても棚に収まっている、CDの背中の英語のタイトルが裸眼で見えるというのだから恐れ入ります。

『それはそうと、カイザーさんは中々たいそうな方なんですね! インターネット上には沢山の情報があって驚きました』。

「いえいえ、好きが高じて無我夢中で、一生懸命やっているだけですから」

今インターネットって仰いましたね?!

90歳のご高齢で、インターネットが出来るなんて聞いた事がありません。

こんな立派な方にローゼンクランツのスピーカーを見初めて頂くのは本当に光栄です。これからもカイザーサウンドは、音楽の感動を目指して頑張りたいと思います。

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