電話相談クリニックから
『デンマークのリズムというスピーカーなんです・・・』
『デザインに惚れて買ったけど、聴き疲れがするんです』
といった電話相談を受けました。
「お住まいはどちらですか?」 とお尋ねすると、
『江東区森下です』 と仰る。
「ここから2キロもないですから、
これからすぐにお伺いします」
「そして、音を聴かせて頂き、
取り敢えず応急処置をした上で、
何をどうするかという事をご提案させて頂きます」
「それが一番無駄のないやり方だと思います」
これは近くだから出来る事です。
一度見たら絶対に忘れる事のないデザイン
そんなやり取りで、即30分後には伺いました。
立派なビルの5階が応接間となっていて、
そこに大型ディスプレイとオールインワン・ステレオがありました。
オブジェ風デザインのスピーカーが目を引きつけます
一度見たら、忘れられないデザインです。
そのスピーカーの名は、"Davone Rithm"
見た瞬間にこのスピーカーは素晴らしい音がしそうだ!
と、直感的に閃きました。
デンマーク製です。
北欧デザインは本当に魅力的です。
サランネットでユニットが見えなくても、
聞こえて来るボーカルの質感で分かります。
明らかにポリプロピレンコーンの音です。
"Infinity"や"Rogers"に共通する音がしています。
サランネットを外してみると、やはり正解でした。
私はポリプロピレンのボーカルが大好きなんです。
「このスピーカーは私が調教したら大化けしますよ!」
「大いに期待して頂いて結構です!」
珍しい形をしたツイーター
中央には広島のY's EPOCH社の音場創出ツイーター
TRINI★STAR NDR1がありました。
スピーカーの位置合わせで、かなりのところまでは行くでしょうが、問題はスピーカーベースです。スピーカー底部との間にガタがある関係で、音に力が無い上に、滲んだ音と共にピークとディップがあるのが諸悪の根源です。
「折角買われたのに、それが駄目だ!
と言うのはとても心苦しいのですが、
このベースを外す事から始めるのが、私からの助言です」
『ベースに限っては中古で買った物ですし、
特に拘りはないのでお任せします』
「了解しました!」
「では、外した状態で、
スピーカーをセッティングしてみますね!」
「如何ですか?」
『まるで別物のスピーカーを聴いているようです!』
『右がベランダなので、
ガラス窓が悪い! とてっきり思っていました』
『この鳴り方だったら疲れないですね!』
『思い切って配置換えも覚悟していました!』
『しかし、このままでも大丈夫そうですね』
「行けますよ! この配置で」
私が合わせた位置はメーカーの推奨とは違っていた
「センターにある音場型ツイーターの適切な位置を、
探し出して合わせ込んでみますね」
「私の耳では左右のスピーカーと、
ほぼ平行の位置でハーモニーします」
「見た目にも生活する上でも、
こちらの方が良くありませんか?」
『その場所で良いのであれば申し分ありません』
『メーカーの推奨位置は、
左右のスピーカーより前方2メートル位なんです』
「それは左右のスピーカーのセッティングが、
きちんと出来ていない場合の事でしょう・・・」
「強引でも、音を前方に引っ張る事が出来るから、
そうなるのは分からないでもありません」
しかし、何をさて置いても、初めにしなければならないのは、左右のスピーカーの調和を取る事なんです。これがステレオというメカニズムの原点です。ずれた状態の音の中であれこれ作ろうとすると、どんどん可笑しな方向に行ってしまいます。
次回の本格セッティングに向けた準備
「今日の時点でもうひとつやっておきたいのが、
スピーカーケーブルです」
「今、お使いのゴムシースのケーブルは、音
抜けが良くないので、音楽の臨場感が出ません!」
「次回の正式クリニックの時まで、
Maximum#340という、
スピーカーケーブルを是非試聴してみて下さい」
「次回の訪問日なんですが、上海へ行ったり、
その後すぐに中四国への出張も控えていますので、
一ヶ月後位になってしまいますが宜しいでしょうか?」
「その時の大体のプランをお知らせしておきましょう」
「先ず、スピーカーの足場をローゼンクランツのスパイクと、
スパイク受けインシュレーターを考えています」
「音場型ツイーターにもBABYという小さなインシュレーターを、
本体とベース部に3個ずつの6個使います」
「あとは電源ケーブルあたりを持ち込んで、
試聴して頂こうと考えています」
「そんな感じで宜しいでしょうか?」