有り難い事に、カイザー・オーディオラック/Gen2が最近よく売れます。新規のM.Nさんもそのお一人です。何の質問もなく、いきなり最高級の”ピタゴラス仕様”をメールで、それも”加速度組み立て”を指定しての注文です。
見積もり後すぐに、ネットバンクから振り込まれてきました。
私のような古い人間には驚きです!
『どのような音の違いがありますか?』
最低でも質問のひとつや二つはあるものです・・・。
こんな買い方をして不安は無いのだろうか・・・???
こちらの方が心配になります。
通販慣れした世代だからか・・・?!
ジェネレーションギャップを覚えました!
さて、納品の日がやって来ました。加速度組み立て済みのラックは運送屋に委ねる事はしません。デリケートなトルクコントロールが衝撃で狂うからです。東京多摩地区だったので、僅かな配達費を頂戴して私が直接納品に上がります。
どんなシステムなのかも全く知らずに訪問した訳ですが、ローゼンクランツの最高級ラックを購入なさるだけの事はあって、シンプルなシステムではあるもののかなりのハイエンド機器でした。
Ktemaというスピーカーの現物を見るのは初めてです。ソナスファベルの創業者であるFRANCO SERBLINが起こしたブランドだけあって、その姿出で立ちが何とも美しい。
ウッディーだけではなく天板と底部に採り入れた10ミリ近い厚みのアルミがソナスファベルとは趣を異にしている。磨かれた天板に彼のサインが刻まれている事からしても、FRANCO SERBLINの意気込みが十分に伝わって来ます。
:STUDIO FRANCO SERBLIN
:Ktema(クテマ)
スピーカーの設計をする立場の私としても、そのデザインには惹かれるものがあり、とても美しいシルエットです。音は姿・形に似るものですが、出て来たその音というものは・・・。
あにはからんや!
とても残念なものでした!
これは何とかしてあげなくては・・・!
私の診断結果をお話します
右のスピーカーの半分以上をベッドのヘッドボードが遮っています。これでは左右の音が溶け合わないので、何をどう頑張ってもステレオイメージは作れません。遮蔽物のないベッドの足元がスピーカー側になるように向きを180度変えました。これだけで随分改善されました。
ラックはスピーカーの発する振動と部屋との折り合いを考え、適切な位置を見つけて設置します。やはり一番重要なのはスピーカーの最適配置です。これらの作業は私にとっては朝飯前なので一発で決める事が出来ます。
これで基本は出来ましたが、折角の高性能機器も床との振動を上手く処理してやらない限り実力の半分も引き出せません。その重要性を分かって貰うには体験が一番です。納品やクリニック時にはどんな事が起こるか分からないので、色々なアイテムを車には用意しています。
試聴体験も正しいコンディションが大切
ラックのスパイク受けにCaptain、スピーカーのスパイク受けはGiant Baseを試聴して頂きました。目が飛び出るほど高価ですが、その能力の高い音と共に費用対効果の面を考えれば、安いと判断出来るのでしょう。体験された方の成約率はほぼ100%です。
Giant Baseはローゼンクランツの隠れたベストセラーです。
出口が決まった後はトランスポートにBIG3を入れて聴いて貰います。一気にシステムが化けました。両者揃うと怖いものなしです。何百万の機器を買い替えた以上に音が良くなります。
まさか?!
と、思われる方は試聴貸出しがありますので、
自分の耳でご体験下さい。
試聴頂いたインシュレーターを外して持って帰るのも酷なので、次回私が納品するまではそのまま使って頂くことにしました。
2度目の訪問
さて、さて、2度目の訪問日には、M.Sさんもすっかりローゼンクランツサウンドに慣れたのが明らかです。音に対して明確な指針を持てるようになったのでしょう。オーディオとの取り組みに開眼したと言って間違いありません。
利口な人は呑み込みが早いです。
ここまで来ると次なるステージの音を提案するのが楽になります。
そんな事も想定して、今回はSound Revolverと電源対策ケーブルを用意しています。これだけのシステムならば、何としてもここまでは引き上げておかないと宝の持ち腐れになるからです。
予想を遥かに上回る音の変化に、両製品とも気持よく導入して頂きました。
費用対効果を考え、尚且つタイムリーな提案が出来なければオーディオコンサルタントとして一人前ではありません。