『システムが完成したら、是非クリニックとセッティングをお願いします!』
北海道のM.Iさんに二年ほど前から頼まれていました。
それ以前にもインシュレーター類を中心に色々買って頂き、ローゼンクランツ製品に対する信頼はかなりなものです。事前にオーディオシステムと部屋の写真を送って頂き、それを元に電話でざっくりとした打ち合わせを行いました
無謀も程度問題
左のスピーカーの前にある簡易机だけは外すようお勧めしました。デスクの板によって音が上下に分断され、ステレオにとって一番大切な調和を乱すからです。
15インチ口径の大型スピーカーとは聞いていましたが、六畳の部屋で鳴らすのは知りませんでした。昔の木造の家ならまだしも、新建材で出来た現代家屋ではエネルギーの移動速度が遅い為に、振動・気流ともに飽和してしまうのです。
生き物にとって窮屈で息苦しい環境に閉じ込められたのと同じであります。限界ギリギリだと、その道のプロでさえ白旗を揚げるしかありません。怖いもの知らずとは言え、機器偏重・部屋軽視の極みです。
これほどの難問を解決するのは至難の業
導入して半年経ちシステム全体の音は落ち着いたので、クリニックしても大丈夫との判断に至ったようです。その点は正解だと思います。しかし、この部屋でこのシステムを自在にハンドリング出来るのは、日本広しといえどもカイザーサウンドを除いて他にいないと思います。
その私に目を付けたという点では、M.Iさんの嗅覚は鋭いです。今までにはかなり散財したと聞きましたが、最後の最後に当たりくじを引いた訳です。誰と言わず、私も含めて皆さんかなりの授業料を払っています。
本スピーカーの製作を担当したその地の敏腕と呼ばれる人物からも、
『広い部屋を作らないと良い音は望めないのでは・・・』
と言われるのだそうです。
裏を返せば、針の糸を通すほどの、
高度なセッティング術を身に付けた者がいない訳です。
クリニックに先立ち、“その技術をしっかりと目にしたい!”との事で、
当日はM.Iさんのオーディオ仲間二人が同席しました。
本件の肝はスピーカーの調律
普段は最後の最後にしか触れないテーマですが、いきなりスピーカーユニットのエネルギーの方向性の問題点を指摘しました。何故ならば、エネルギーが強くて指向性が狭い大型ホーンスピーカーともなれば、何にも増して左右を揃えてやる必要があるからです。
今の状態は、接写レンズで撮影するようなものですから、否が応でも目くそ鼻くそまで見えてしまうのです。目に見える話ですとこうなるのですが、響きやエネルギーの方向ともなれば、それを脳で解析してどのように不揃いなのかを判別しなければなりません。
カイザーマジックと呼ばれる特殊技能を全公開
これが誰彼と出来ないのです。それを今回は三人の見ている前で行い、処置前と処置後の音を確認して貰います。また、状況を見ながらあらゆるテクニックを駆使して音を向上させて行きます。
デジカメ内臓マイクでの録音なのでオーディオ的には充分ではありませんが、スピーカーの音からだんだんと楽器の音色に変わって行くのがハッキリと判ります。十数本の動画がありますので、じっくりと観察してみて下さい。
忙しくて時間のない方は最初と最後の音の違いをお聴き下さい。
その音の違いに興味を持たれたら途中経過も順次御覧下さい。
@カイザークリニック処置前の音 2:41
Hスピーカー加速度組み立て・再調整(Sound Revolver)8:43
1:17からのアッテネーター調整
その化け方は感動モノです!
これは各ユニットのエネルギーの方向性を左右揃えたから成し得た音です。アッテネーターの調整だけでここまで官能的な音は無理です。スピーカーの持てる能力を最大限に引き出せる状態に持ち込むのが絶対条件です。
この技術に興味を持たれたら、
遠慮なくご質問下さい。
カイザーサウンド
貝崎静雄
090-2802-6002
info@rosenkranz-jp.com
スピーカーが動かす気流の問題
メロディーやハーモニーとの関係が深いですが、
これはスピーカーの位置調整で行います。
スピーカーが発する振動の問題
テンポやリズムと密接な関係があります。
これは、オーディオラックやテーブル等の位置調整で行います。