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今もこれからも再生音楽の指針になって行くと思います



----- Original Message -----
From: "H.M"
Sent: Sunday, December 20, 2009 12:59 AM
To: <info@rosenkranz-jp.com>
Subject: スピーカーケーブル試聴体験レポートの送付

 

 

貝崎様 こんばんは
SP-RGB2a試聴中のH.Mです。

SP-RGB2a試聴体験レポート

「なんて温かい・・・」
試聴ディスクに選んだWoodyCreekのMr.Boujangle。冒頭のピアノが聴こえた瞬間の感想です。
3曲目まで目を閉じて聴いた後、今回のレポート上で比較対象の中心として準備していたケーブルを変更することにしました。

価格ヒエラルキーが現存する以上、試聴レポートでは、近似した価格帯で、ある程度評価の定まった製品を比較対象とすることが常識です。
もっとも15万円ものケーブルが手持ちにあるわけではなく、価格的には及ばないながら手持ちの最高額ケーブルであるAETのSCRを予定していたのですが、やめることにしました。

SCRはたまに繋ぐだけで、過去も現在もメインケーブルとして組み込んでいません。
圧倒的な情報量を活かした、のけぞるような凄みのある音を聴かせるのですが、音が重く、またバラバラに等価に聴こえるような気がして、音楽としてあまり楽しめないのです。

そこで、比較対象の中心には、価格的にはメートル当たり単価でRGB2aのなんと50分の1に過ぎない47研究所のStratos(0.4ミリ単線)を持ってくることにしました。
保有するケーブルの中では、最も廉価で、最も音楽的感興の湧くケーブルです。
特性を測るわけではなく、職業的評論家の試聴でもなく、あくまで音楽ファンとしてどう楽しめるか、というレポートしか私たちユーザーは書けませんので、気に入ったもの同士の比較でなければ意味がないことを悟ったのです。

この時点で、コンテスト用レポートとしては失格ですので、好きなように書かせていただくことができます(笑)。

まず、使い勝手についてですが、現物を手に持った瞬間の「軽さ」に驚きます。
片側3メートル近いケーブルは、私の環境ではもてあまし気味なのですが、この「軽さ」のため、余ったケーブルの処理に収拾がつかなくなるようなことはありません。
一方、Yラグ等による端末処理が行われていないことは、使い勝手をやや損なっていますが、音質のためには端子は不要、というポリシーであれば、受容範囲です。

続いて、本題の音質評価です。
冒頭、「温かい」と感じた印象は、ディスクが進むにつれ、次第に「暖かい」に変わっていきます。このディスクに収められた演奏はとてもスリリングで熱気に溢れたもので、RGB2aを使わなくても、おそらくどんなケーブルでも十分にその雰囲気を伝えてきます。
今感じているのは演奏の熱気ではなく、音楽が耳だけでなく、皮膚からも体に染み込んできて、それが体の内側から熱を発することによって顔が火照ってくるようなのです。もちろん、こんな経験は初めてです。

演奏は、滑らかというのとは少し違う、次々に出てくる音のタイミングが有機物のように繋がっているような印象です。ピアノのアタック音、共鳴板の響き、周囲への拡散、余韻、その全てが生き物のようにうねり、躍動しています。こんな表現はStratosでも無理です。

音調はほんの少し柔らかめです。ただ、角自体が丸くなるStratosと違い、立ち上がりから自然にスパッと切れ込んでくるため、実在感はより濃厚です。

音の3次元表現は、たまに使っております、ホログラフィックサウンドを標榜するKrynaのSpca5より豊かです。特に高さ方向はちょっと驚きです。

音数や高低のレンジは、当然Stratosを上回っていますが、SCRにはわずかに及びません。しかしながら、それらの情報をコントロールし、リズム、メロディ、ハーモニーの強弱をつけ、今その場で初めて生まれてくる音楽として再構成してくるケーブルは他にありません。こうした違いが、他のケーブルでは味わえない「暖かさ」になるのではないかと思います。

カイザーサウンドさんの製品を経験するのはSTB-7に続き2つ目なのですが、ソフトから取り出した情報を有機的に結び付け、躍動感、陰影感を高めて演奏者の実在感を強める音作りは共通しているようで、今も、そしてこれからも再生音楽の指針になっていくと思います。

このたび、ローゼンクランツブランドの高額ケーブルを試せる!ということで勇んで応募いたしましたが、やや軽率であったかも知れません。
日常空間であるリビングでの使用を前提に、極力コンパクトかつ廉価なシステムを構築してきた私にとって、15万円ものケーブルは実に不釣り合いなのですが、今こうして再びStratosに戻しますと、つい先日までは十分満足していたにもかかわらず、こうした経験の後では何かつまらなく聴こえてしまい、自分のシステムがひどく不安定に思えてしまうのです。

使用機器
CDT CEC TL51X-MHT
DAC 47lab Model4715×2台(McAUDI MD550を経由した左右モノラルで使用)
AMP 47lab Model4706-50(電源トランスModel4700-50×2台を左右モノラルで使用)
S P Micropure Cz302ES(バック工芸社 Basic-05上に設置)
※AMP直前にInfranoise RMS-1000をアンサンブルポジションで使用
※デジタルケーブルはAccousticRevive DSIX1.0PA、AVCT 4C-XEW
RCAケーブルはAudifon 、Audioquest、Chikuma、Taralabのエントリークラス

H.M



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