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良い音を出すのにホームより車の方が有利な理由



 渾身の力を込めて完成させたデモカー
 
 カーオーディオはホームオーディオに比べて良い音を出すのに不利であると考えていませんか?。下手をすると百人が百人そう思っているのではないでしょうか・・・。エンジンの騒音、ガラスと薄い鉄板で囲われた狭い空間・・・。そんな環境で良い音など作れるはずがない。実は当の私もついこの間までそう思っていました。

 縁あってカーオーディオ業界に参入することになったのですから、私なりに真剣にデモカーを創ってみようという気持ちになりました。どこまでの音に持っていけるのか?、自分の取り組んできた「音のカラクリ」を解明する良い実験場でもあるわけです。

 「よし、いっちょう本気になってやってみるか!」という気になりました。インストールをお願いしたのは岩手県一関市にあるサウンドフリークスの佐藤さんです。合計で6回訪問しました。新幹線で2回、車で4回、大体1泊ですが2泊した事もありました。延べ日数で14日ほど付きっ切りで渾身の力を込めて二人で完成させました。


 やっと掴んだグライコの調整技術

 グラフィックイコライーザーなどホームオーディオではこの25年間ほとんど触った事などありません。最初はなかなかコツを掴めず調整しては走りを繰り返しました。知らぬ間に私のドライブルートとなった、お台場から羽田までをカーオーディオのテストコースとして数え切れないほどの回数を走りました。


 車でしか味わえないリアルな低音

 正直申し上げますと、この最近の私は職業柄、音楽を聞いている時間が多いせいか、いつしか音の無い静かな時間を欲しがるようになっていたのです。それがカーオーディオのお陰で音楽を聴く喜びが甦ってきたのです。耳や脳で聴く感覚とは違い、体の五感全てで体感する音です。車のボディー全体で空気を叩くような音といったらいいでしょうか。その内カーオーディオの持つ不思議な魅力に取り付かれるようになったのです。それは車でしか味わえないグルービーでファンタスティックなサウンドです。

 そうです、ドアーの側面部に始まり、底板、天井といった薄皮が爆発するかのような轟き音はまるで和太鼓やドラムの低音楽器と瓜二つの鳴り方なのです。決してピュアーオーディオの厚いエンクロージャーのスピーカーからは出ない音です。どちらが実際の低音楽器に似ているかといえば、それは圧倒的に車のボディーから出て来る音の方が生の音に近く感じるのです。

 この時に私は確信しました。むしろホームオーディオよりカーオーディオの方がやり方次第では魅力ある音を出せるんだと・・・。車のように筐体が薄いが故のメリットを活かしきれば、とんでもない音が出るのをローゼンクランツのデモカーによって証明出来たのです。


 車の場合自ずと振動の時間軸は取れている

 もうひとつの理由は4輪のタイヤで完全にインシュレーション効果まで持っているのですから正に振動の問題に関しても完璧です。ドライバーとしてのスピーカーユニットは振動発生機と捉えボディー全体を共鳴体とイメージして音作りをしてやるのです。幸いに車の場合左右対称に出来ておりますので振動の時間軸はほぼ完璧にサイクル運動が可能になります。

 方やホームオーディオの場合スピーカーを左右の壁から均等に計って設置しようとも、片方の壁は外界と接していたり、また他方はキッチンやら別の部屋と繋がっているわけですから、振動の時間軸は不揃い状態になります。従いまして、よほどの事がない限り左右の合成波としての美しい倍音は生まれません。それでは鳥の片方の翼に何か余計な物をぶら下げているようなものですから、上手く羽ばたけず飛ぶ事は不可能になります。


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