注文に追いつかないナイアガラ

　よくあって月に1個くらいの注文だろうと思っていました。また、生産能力からいってもそれが限度と考えていましたが、何せ3～4倍の予約が入って来ましたので、根本から生産体制を見直す必要がでてきました。

　鋳物は生き物ですから1個1個に微妙な違いがあり、出来上がっていく過程を観察していると我が子のような可愛さを覚えてきます。それがまた、世界に二つと無いと感じる瞬間でもあります。

　こうして真心を込めて完成したナイアガラには、多くの感動が返ってきております。

悲鳴が上がるほど注文が後を絶たないナイアガラ

　青銅の表面に色付けするという不慣れな作業も、次第次第にノウハウが身について、その完成度は芸術の領域に入ってきた感があります。その工程もK氏に任せてありますが、新たな問題が起きた時には逐一報告してくれますので私も安心です。

　彼にいつも口をすっぱくして言っていることは、「仕事の評価は私がするのではないよ！」。その工賃については私が決めているが、それはお客さんの代理をしているだけであって、仮に私が不当に低く抑えようとしても、「それは、世間が黙っているはずはない！」。そう思って、自分の仕事に誇りをもってやって欲しいと。

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