トップ情報東京試聴室奮闘物語> その3 「スピーカーと部屋の位相の関係」

その3 「スピーカーと部屋の位相の関係」


 スピーカーから放出された1次波がリスナーの背面の壁に反射してぶつかる波が生まれます。もう一つはその波がスピーカーの背後の壁に反射して『後追い波』となって第1次波と重なってきます。音楽を聴いている間はこれが延々と繰り返される訳です。

 この関係が上手く行っていないと音楽のきれいな響きは到底得られません。それで、昔から吸音材とか部屋には色々と物があったほうが良いといったことが言われて来たのです。半分は合っていますが、それではあまりにもいい加減過ぎると思います。

 今日はその『後追い波』について詳しく実験をしましたのでご披露したいと思います。先ず部屋の前後の長さがありますが、生活するにおいて許される範囲でスピーカーの置ける理想の場所を探していきます。

 先ず最初は、自分の勘でここらあたりが良いのではと思う位置にスピーカーを置いて音楽を聴いてみます。後は、今置いている所にテープでマーキングします。そして、その次は105ミリの間隔で前に2ヵ所、後ろに2ヵ所合計5つのマーキングをします。


 こうして、前に出したり後ろに引いたりして音を聴きますと、声の領域が低音側に移動したり、高い方に移動したりして違いに気が付くようになります。また、ある楽器の音色が弱くなったり強くなったりの変化にも気がつくようになるでしょう。

 こうした調整をローゼンクランツでは「波動コントロール」と呼んでいるのです。そして、仮に前から2番目と3番目当たりが良かったという印象が残っていれば、もう一度復習するようにその両方の音を聴いて見ます。

 ここまでくれば耳も研ぎ澄まされていますので、どちらが良いか判断がつくはずです。そして、2と3の間の音も聴いてみると、もっと細かく「音のタイミング」や「エネルギー感」などいい感じがつかめます。

 さらにその52,5ミリの半分の位置の音まで聞き分けられたらもう完璧です。これらの事は音楽家が楽器の音合わせをするのと同じ事なのです。音は全て波動から成り立っていますのでこうした事が起こるのです。


back