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その4 「ミラクルサウンド・スクリーン用スタンドの開発」


 自立しないミラクルサウンド・スクリーンを助ける為のスタンドを考案しなくてはなりません。しばらく私は広島に帰れませんので、図面担当のK氏が東京に居る間に基本構想は伝えておく必要があります。「蓮の輪切りのような物を金物で溶接して作ろうか?」、「試験管立ての大型の物を作って、それに立てようか?」とか、色々とアイデアは出てくるのですが、中々決め手になるようなものがありません。

 すると、丁度私の目の前に置いてあるイタリア製のラセン型CDスタンドが目に留まりました。「なるほど、これだ!」。脊椎動物と同じように1本脊髄を通して、それを胸骨で囲うような構造にしてやれば上手く行きそうです。下のベースは扇状にして7本のポールを受ける部分をざぐって受ければ良い訳です。


 一番上のヒモで連結してある部分を、倒れないようにもう一度ひもで固定してやりさえすればO,Kです。その位置にはポールの内側に入るほどの少し小さめな扇状の板を作ればうまく行きます。そしてベースの板の底にはCHILDのインシュレーターでネジ止め3点支持するという構想です。この構造であればしっかり止まると同時に、1本通しのミラクルポールのしなりを生かす事が可能です。

 これで、ほぼデザインが固まってきました。そばで私が言う事を元にせっせとK氏はスケッチしております。そのスケッチを見ると、扇の要の部分の脊髄に当たる所と、その後ろにインシュレーターのCHILDを入れると、振動の支点が脊髄に相当するマスト棒のエネルギーに負けてしまいます。
     
 そこで、そのマスト棒その物を五重の塔の心柱に見立てて、インシュレターの役割をも持たそうという考えに至りついたのです。すると、35ミリ径の心柱に対して23ミリのCHILDでは、これまたエネルギーバランスが取れませんので、自ずと同じ材料、同じ径のFRIENDになってきます。

 かくして、PB-COUSINやPB-FRIENDの材料として用いている35ミリ径のエコブラスをマストにして、ハードメイプルの扇状の板を上下ナット締めで固定するという方式でデザイン構想が決まりました。

 ミラクルサウンド・スクリーンだけでも目が飛び出るほどの値段になりそうなのに、このスタンドも必要という事になれば、実際に買える人が出て来るのだろうかと心配ではあります。でも、そんな事を考えていたら良い物は出来そうもないから考えない事にします。

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