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その9 「照明のピンスポットから学ぶその大切さ」


 壊される『音楽の原型波』

 何事も、まともに正面から衝突してしまっては、大変大きなダメージを受けてしまいます。「音の反射波」とて同じです。昨日、ミラクルサウンド・スクリーンをリスナーの背後に立てた事で判明したのですが、クロス張りの平坦な壁に当たった反射波が、スピーカーから発せられた音にまともにぶつかり、それを壊してしまうのです。

 その壊れ方が千差万別な訳でして、家財道具も何も置いていない部屋で会話をすると、凄い反響音がして頭がガンガンするのは良く分かります。そこで、引越しを終えてその部屋に荷物が少しずつ入ってくると、それはそれで解消されてきます。

 しかし、その時点で解決したと思うのが落とし穴です。相手の言葉もハッキリと聞き取れますから、会話レベルの事でしたら別段不自由は感じません。しかし、音楽再生という事になれば話はまた別です。あらゆる周波数に対して、もっとハッキリときれいに聞き取れるようになる事が理想です。

 「帯びに短し、襷に長し」

 その聞こえ方に対しては、どのような部屋であれば音楽が美しく聞けるのかという、豊富な体験による比較材料を持っていなくてはなりません。しかし、今まではこの点に於いて私たちが充分ではなかったのです。

 現時点に於いても、いくつか音響パネルや吸音材が発売されていて、前々から必要な物とは充分に認識しておりました。しかし、私にとっては何れも「帯びに短し、襷に長し」の感があり、それで、今回自分自身が満足出来る物を作ろうと思って開発したのです。


 「ピンスポットの照明」を当てたように

 パーフェクトと言っていい位満足の行く状態に出来上がった、そのミラクルサウンド・スクリーンの音については、こうして、今正に格闘しながらの実験中な訳であります。今回イメージとして思った事は、沢山の音が入り混じった状態から、「ピンスポットの照明」を当てたようにステージ上にソリストがクッキリと浮かび上がった事でした。

 色々な楽器の音色がこれほど美しいものであったのかと思う事と、楽器という個々の者たちが織り成すハーモニーの美しさが、スピーカーから聞けようとは夢物語のようであります。

 具体的には、ボリュームを上げた時にありがちな、高域の暴れやひずみ感といったものまで取れたのには驚きました。こうした現象は伝送系のケーブルによっても引き起こされますし、振動の関係でインシュレーターによっても解決する事から、この事一つをとってみても、今私が解っているのは少なくとも3つの要因があるという事です。

 後方からの、間接音もどきの直接音

 また、こうした魅力ある音を手に入れようと、他方では5チャンネル方式も普及しつつありますが、本来間接音のはずである音が、後ろからのスピーカーによって、直接音という形で間接音情報を出そうとする不自然さが、どうしても私の耳には違和感を感じてしまうのです。

 オーディオ業界の次なるテーマはオーディオシステムと部屋との関係、この「空間の時間軸」の研究に尽きると思います。まだまだ、2チャンネルでやる事は沢山残っています。


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