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その14 「ミラクルサウンド・スクリーン、スタンドと一体で組み立て完了」


 ネジ切りの出来上がったエコブラス棒に用意していたナットを取り付けてみるのですが、硬くてあるところから回らなくなってしまいました。切り粉が残っていたのでしょう。後からCRC565をスプレーしてみるのですがパイプレンチぐらいではゆるみません。

 そこで、加工先の鉄工所へ持って行き色々と尋ねると、市販のナットに合わせてネジを切った物だからメーカーが違えば少し固かったりする場合があると言う。「しかし、JIS規格のネジだから互換性があるはずでしょう」と食いつくと、実は基本になる規格のナットは1個が何万円もするので持っていないらしい。それはさて置き、コンプレッサーでゴミをきれいに吹き飛ばし、油をさすと何とか回るようになったので、これでひとまず安心です。

 また、後で判ったことですが、1ヶ所だけ芯出しの制度が悪くわずかに斜めにネジを切ったのが原因だろうと私なりに思いました。それは残りの3ヶ所は手できれいに回ったからです。これだけ長い物ですと少しの狂いがエンドの方では大きなものとなってくるのです。

 汎用旋盤ではネジ一つ切るのでも、こうして腕の差が出てきます。このS加工所はNCの腕は良いのですが、今回初めて頼んだ汎用旋盤での仕事がこれではいけません。ですから、次回の本チャンはDAIBUTSUとかSTBの薄物を作って貰っているもう一軒のK加工所にお願いするつもりです。このK加工所は逆に汎用は良いのですが、NCが今ひとつなのです。こうした内容をハッキリと告げ、是々非々の厳しい物作りを理解して貰わなければなりません。

 さて、スパナを買う為にナットを持って近くの道具屋に行ってみるのですが、そんな大きなレンチなんて今すぐには売っていません。計ってみると外径にして46ミリと50ミリもあります。メーカーに問い合わせてくれましたが、入るのが明日になると言います。

 「明日東京へ行かなきゃならないので、何とかならないの?、どこから来るの?」と聞くと、『卸団地の商工センターからです』と言う。そして、そこまで取りに行きさえすれば商品は出してくれるらしい。偶然にもこれからスタンドベースを取りに行く木工所のすぐ近くですから、足を伸ばして貰いに行く事にしました。


 しかし、出されたその現物を見て「ビックリ!、何と言う大きさのスパナでしょう!」。何トンもの物を締める時に使うような物です。最後になってドタバタしましたが、何とかこれで東京へ行ってから組み立てることが出来そうです。
甲府でとても気持ち良い夜明けを迎えました。

 夜8時に出て翌日の朝8時には東京に着いたのですが、旅の疲れでその日は昼頃から寝てしまい、結局翌日の夕方から組む事にしました。最初の図面のままの物ですと震度3以上では倒れる恐れがあるので、後ろに補助用のステーを急遽作り、安定度のテストが出来るようにしました。


 組み立ててみますと案の定補助ステー無しでは不安定です。最終的にはそれをも含めた一体型の形で、もう一度図面を引き直し商品化になる予定です。それにしても、スタンドにミラクルサウンド・スクリーンを取り付け、完成したその姿の美しさは想像をはるかに越えるものになりました。その最高の出来栄えに私は大満足です。完成したのが夜の10時を回っていましたので、音を聴くのは明日になります。


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