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プジョー307CCの試乗編



 東京に戻ってすぐに有明のブルーライオンへ307CCの試乗申し込みの電話をしました。試乗車はボディーが青でシートが黒でしたので、オープンカーといえどもごく普通の車にしか見えません。ボディーの色やシートの色の違いだけでこうも印象が変わってしまうものなのか?。先日のあの心の高鳴りは何だったのか、そうすると私は色に惹かれた事になります。世界の名だたる車が100台以上も並んでいた中で一際光り輝いていた307CCはシルバーのボディーに赤黒のツートンカラーシートでした。色の持つエネルギーとは本当に恐ろしいものですね。

 そんな気持ちで乗ったからかどうかは分かりませんが、先日広島で乗った307セダンのあのキビキビとした走りは感じられませんでした。オープンカー・イコール・スポーツカーというイメージがあまりにも過度な期待を持っていたからなのでしょう・・・。ハッキリ言って走りのフィーリングは期待外れでした。マセラッティークアトロポルテの走りを知ってしまった私には少々の物では満足させられないのでしょうか?。

 「これでデモカーを作ろう!」。そんな思いは完全に萎えてしまいました。

 そんな思いが頭の中に駆け巡っている時に、『あさって発表会予定の407スポーツワゴンに乗ってみて頂けませんか?』。

 「ワゴンは2台もあるのに要らないよ」といいながらも、以前605セダンで好印象を持っていたので、乗るだけ乗ってみるかと腰を上げました。2.2リッターエンジンの4速オートマタイプでしたが、その乗り心地は正にフランス車のエレガントさです。誰が言ったか猫足とは本当によく言ったものです。この乗り味の方がXMより猫足といった表現を使うなら近いです。でもほんの2〜3キロ試乗しただけですから何ともいえませんが、1,000キロの高速ロングツーリングではXMには敵わないでしょう。

 この407はよく出来ていて、1台だけにしろといわれればこれは最高の車でしょう。小林彰太郎さんの勧めるこの1台のエグザンティアと甲乙付けがたいかもしれません。エグザンティアファンが一気にこちらに流れる恐れもあります。

 「でも私の場合は何台も目的別に欲しいので、オールマイティーより使い分けの特化の魅力が欲しいのです」。

 そう言うと、『それでは明日V6の3,000CCが来ますので一番に乗ってみて下さい』。


 『つい先日私も箱根で試乗したのですが、この6速オートマは大変素晴らしいですから』。

 『クアトロポルテの走りを知ってらっしゃる貝崎さんでも魅力を感じると思いますよ』。


 こんな強気の言葉を発したのに釣られ、明日乗ってみることにしました。


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