調教中にエンジン不整脈発生
本妻と決め込んだW124の加速度組み立ての走りには満足だった。妥協嫌いな私はランチア・カッパの走り込みでの成功体験を元に、更なる調教に入った。ベンツという車の未だ見ぬ魅力の片鱗に触れ、その日の私はちょっぴり浮き足立っていた。
機敏な走りを求めてキックダウンを繰り返していると、ATの繋がりにムラがあることも確認出来た。無理のない大人しい運転をしている時には決して出なかった症状である。ATに疲労が出始めているのかもしれない。
今の時点でハッキリとした問題が二つある。アイドリング時にプルプルっと震えるエンジンとキックダウン時のタイムラグ。両者に関連性があるかどうかは分からない。今までに40台近く乗って来たが前者のような症状に遭遇するのは初めてだ。
前者はプラグの配置交換及び加速度組み立てで改善してくれたらとの淡い期待を抱いている。後者においてはオートマオイル洗浄で治ると読んでいる。早速金谷オートサービスへ持ち込んだ。エンジン洗浄を先に行った前回の時とは逆の工程である。
どんな改善効果を見せてくれるのか!
期待は大きい!
プラグ交換している時の私は冗舌だった。
全ての作業も無事に終わり、
金谷の若社長とAMS OIL磯部氏の3人でテスト走行した。
不整脈症状は収まってはいない。
しかし、走りのフィーリングはとても良くなった。
先ずはこれで乗ってみることにしよう!
「有難う御座いました!」
大きな声で挨拶し、帰路についた。
快調な動きを見せてくれる124。
道路は渋滞しているが気持ちはルンルンである。
そんな喜びもつかの間! エンジンが温まるに連れてアイドリング時の不整脈が次第に酷くなる。今にもエンストしそうである。脇に車を停め、金谷オートへ電話。引き返すことにした。
あれこれ手をつくしてくれたが改善の兆しは見えなかった。排気ガス測定の結果カーボンの値が大きい。“エンジン洗浄で治るだろう”との結論になり、その日は代車を借りて帰ることにした。
ショック療法は諸刃の剣
弱っている状態の時に無理をすると、更に悪化させてしまうということはよくある。年寄りに接するように穏やかにしてやれば、今回のような問題は起こらなかったかもしれない。
欲は禁物とも言うが、悪いところをあぶり出すという点から考えると仕方ない。むしろ長い目で見た場合、問題点をハッキリさせる上では必要且つ欠かせないことだ。
エンジン洗浄で不整脈が解決してくれれば良いと願うが、今となっては他に原因があるように思えて仕方ない。いずれにしても、不安定要素となっている原因を突き止め健康に戻してやりたい。
少々の出費は覚悟している。
コンピューター制御の、
至れり尽くせりの車に興味が湧かないのだから・・・
こればかりは仕方がない。
翌日の昼過ぎに電話すると、朝6時から起きてやってくれたそうだ。
『見違えるように良くなったよ!』
金谷社長の自信たっぷりの声に喜び勇んで新座へと向かった。
この話続きます・・・