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その10 「自己流の癖球」


 以前、寺島さんに次のようなことを言ったことを、今ふっと思い出しました。それは音の追い込みをゴルフにたとえた話です。早い段階から「自己流の癖球」だけで乗り切ろうとしたら先でその「癖を矯正」しようと思った時にはどうにもならなくなる時が来ますよ!。半分脅しのように聞こえたかも知れませんし、「まだケツの青いのが!、この偉そうな奴!」、と思ったに違いありません。60%〜70%までは基本をマスターすべきで、いつでも真っ直ぐで素直な球が打てるようになってから、その後、はじめて自分独自のスタイルというものを磨くべきではないでしょうか、といったような内容です。

 意識してその癖玉で勝負という雰囲気の鳴り方が出てきているような気がします。それは実は自分にも同時に言い聞かせていたことなのかもしれません、今、正にそのような雰囲気と余裕を感じることが出来ています。青木功のミラクルボールとでも言いましょうか、やっと私自身その奥の手を使えるようになったのか?、はたまた使う時が来たのか?、そういうことを思い出したわけです。

 趣きを変えて、ROSEMARY CLOONEYを聴いてみましょう。

 ROSEMARY CLOONEY vocals
Featuring:
JOHN ODDO piano&synthesizer
CHUCK BERGHOFER bass
JOE LABARBERA drums
DENNIS BUDIMIR guitar
GARY FOSTER alto,tenor&soprano saxophone,
flute&recorder
VINCE TRONBETTA tenor saxophone
WARENN LUENING trumpet&fluegelhorn

with Special Guest:
KEITH CARRADINE duet vocal (Turn Around)

Arranged and Conducted by JOHN ODDO

 私のリファレンススピーカーはオールメタルコーンの3ウエイです。唯一の欠点は程よい内部損失に欠ける点から、「潤い」とか「コク」また「淀んだ澱」のようなものは苦手です。その点を「サラダ系の音」と「漬物系の音」と私なりに分けて呼んでいます。正に私のスピーカーはサラダ系に属します。その漬物系のドロドロした感じがBIG JAZZを12個入れた今日のシステムからは大分感じるようになってきました。その確認の為にローズマリー・クルーニーを聴きたくなったのです。

 熟れた女性の声が、BIG JAZZによって「男勝りのような声」になっても困るという、一抹の不安を払拭する意味もありました。一番大きく変わったことといえば、声の発生が一音一音ハッキリと聞き取りやすくなったことでしょう。また、懐深い鳴り方となって、文句無しに感情表現がよく伝わってくるような、とてもいい鳴り方をしています。


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