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その11 「BIG JAZZのサウンドに興奮した」

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 From:T.W
 To: ローゼンクランツ
 Sent: Saturday, March 09, 2002 1:47 AM
 Subject: PB-BIG JAZZを聴いてみたい

 貝崎様

 いつもお世話になっております。
ホームページでPB-BIG JAZZなるものを拝見いたしました。私も正直言ってJAZZしか聴きません。ですから、非常に興味を持ってしまいました。BIG JAZZのメスをスピーカー(JBLMetregon)の木の脚の下に敷いたら、すごい音でJAZZが鳴るのではないか?1度こう思い出すと居ても立ってもいられません!BIG JAZZの製品化はどうなるのでしょうか?試聴はまだ出来ないのでしょうか?寺島さんが羨ましいですねぇ・・・。

 CDプレーヤーの下に敷いているDADDYの設置方法をいろいろ変えてみました。前2点、後ろ1点にした場合、見た目には非常に安定感があり気に入ったのですが、肝心の音のほうはかなりおとなしくなってしまい、JAZZには前1点、後ろ2点が正解だと思っています。

 では、PB-BIG JAZZの聴ける日を心待ちにしております。又、その価格はBIGとあまり変わらないですよね?


 ----- Original Message -----
 From: T.W
 To: ローゼンクランツ
 Sent: Thursday, March 21, 2002 3:46 PM
 Subject: PB-BIG JAZZの試聴レポート

 貝崎様

 いつもお世話になっております。
PB-BIG JAZZについての私の雑感を述べさせていただきます。

 ところで、私のオーディオ歴(現在43歳ですから、25年強という所です。)を振り返ってみますと大ブレイクが2度程ございました。

 <1度目のブレイク>

 Western Electricのパワーアンプに巡り合った時です。4inchの375コンプレッションドライバーにあこがれ続けて、【375】の入ったJBLのMetoregonをやっとのことで手に入れて、鳴らすアンプをいろいろ試しておりました。(試すと言っても貸し出し等というものは当時はあまりなく、購入という形をとらねばなりませんでした。また私の性格上、借りた製品では落ち着いて聴くことが出来ないのです。購入して定位置に置いてからでないと駄目です。)

 国産では当時アキュフェーズに信頼をおいておりましたので、まずはアキュフェーズのパワーアンプ、それからJBLにはやはりアメリカ製のアンプを組み合わせるべきかと考えてマークレビンソンとマッキントッシュを聴き比べてマッキントッシュを購入しました。『これで良し!』と納得しながらも、もっと良い音が有るのではないかと思い、マルチ・アンプへと進みました。ただ、アキュフェーズはデザインが国産特有の画一的な雰囲気を脱していないので、手元には残しませんでした。

1111 低域用 マッキントッシュ MC2600
中域用 マッキントッシュ MC7270
高域用 パス・ラボ アレフ3
チャンデバ アキュフェーズ F-15L

 再び『これで良し!』と納得しながらも、真空管のマッキントッシュMC30に入れ替えてみたりもしました。私は特別に真空管のアンプに拘りを抱いてる訳ではありません。トランジスタでもMOS-FETでも良かったのです。いやいや、真空管はスペアをストックしておく必要があるので、本当は敬遠したかったのです。
 
 ある日、初めて行ったお店でアルティックのA7が今まで聴いたことが無いほどに美しい音で鳴っていました。最新のアンプとスピーカーの組み合わせに勝るとも劣らない聴感上のS/N比の良さと残留ノイズの低さにも驚きました。あの高能率のA7から荒々しさも、残留ノイズも聴こえないのです!これは何かあるはずだと思い周りを見ると、今まで見た事も無い古びた真空管のパワーアンプが接続されていました。

 それが私とWesternのアンプとの出会いです。それからは頭の中は何時もWesternの事しかありませんでした。その時お店で聴いたのは350Bのプッシュプルの【124パワーアンプ】でしたが、なにせ高額なもので購入の目処もたたずにそのお店に通う日々でした。

 しばらくたって349Aのプッシュプルの【133Aパワーアンプ】がそのお店に入りました。全ての真空管、トランス及びチョークがWesternオリジナル(124は前段の球がRCAのものが多い。)で、お店の人が自宅での試聴を勧めてくれたのです。我が家で聴くJBLとWesternの組み合わせが奏でるJAZZは最高の音に聴こえました。そうなると、Westernを持って帰られるのは耐えられなくなり、後先のことを考えずにとうとう置いていってもらいました。

 そのお店は東京の【ウエスタン・サウンド・インク】の商品を委託販売しているのでメンテナンスは完璧な状態であり、購入後もう4年程度経ちますが1度も故障したことがありません。マルチ・アンプからネットワークによるシングル・アンプに戻しましたが、音の鮮度に於いてもマルチ・アンプを越えていると感心しています。出力はたったの7W程度ですが、我が家の8畳程度の部屋では不足を感じずに朗々とした音色でJAZZを奏でてくれています。

 <2度目のブレイク>

 CDプレーヤーの付属の脚を外して、底板に直にDADDYを前1点後ろ2点で設置した時です!過去には色々なインシュレーターを試した経験があります。木・石英ガラス・金属(ステンレス、銅)・合成樹脂系(J1プロジェクト)・カーボン系(SRコンポジット)等それぞれの素材によって固有な音に若干変化します。(変化です。良くなったのかどうか・・・?)ただ私の場合、どの場合も1,2週間したら落ち着かずに元の鉄製のスパイクとスパイク受けに戻してしまいました。(鉄という素材は案外音楽再生に向いているのかも知れません。)例外としましてスパイク受けをPB-JR(H)にした場合だけ元には戻しませんでした。

 これがローゼンクランツ殿のインシュレーターとの初めての出会いです。それからは貝崎殿もご存知のように、mailで教えていただいた通りに付属の脚を外して、底板に直にDADDYを前1点後ろ2点で設置しました。この時の音の激変には驚き、心の中で【たかがインシュレーター】と侮っていた自分を深く反省いたしました。

 又、ワディアのCDプレーヤーの場合は4隅のパイプ部分が1番強度があり、インシュレーターを設置するのはこの部分しかないとの自分の思い込みも覆されました。何でも試してみないと本当のところは判らないものだと勉強させられました。

 
 さて肝心のBIG-JAZZの音についてですが、私はBIGの音を聴いたことがありませんのでDADDYとの相違点について書こうと思います。

1.シンバルの音について
 
 JAZZにとって高域部を構成する重要な要素です。私の理想は重量感のある高音(羽根のように軽い繊細な音ではありません。)です。DADDYにした場合も重量感はかなり出ており満足しておりましたが、BIG-JAZZは更にその上をいくようです。それだけではなくシンバルの周りの空気も一緒に切り取って部屋の中で再現してくれているように感じます。スティックがシンバルに当たる瞬間の音、その後の【シュワ〜ン】という響きがまるで目の前で実物が鳴らされているような錯覚に陥ります。スピーカーから放たれた音が目の前で実物のシンバルが揺れているように空間で揺れているのです!

2.アコースティック・ベースの音について
 
 JAZZにとって低域部を構成する重要な要素です。DADDYの場合もぐっと重心が下がり満足しておりましたがBIG-JAZZを聴くにあたり、DADDYの場合は若干膨らみすぎかな?とも思えます。(これは部屋の特性、使用装置、接続ケーブルや電源廻り等の条件にも左右されますが・・・。)BIG-JAZZにした場合、ベースの音がぐっと締まり音程が明瞭に聴こえます。リズムもノリノリでレイ・ブラウンのウォーキング・ベースがごきげんです。又、バスドラとの区別もより明確になりました。

3.音像の出来方について(音場について)
 
 ソロイストの音像がDADDYよりも1,2歩前に飛び出してくる感じです。バックの演奏の位置は定位置ですので、それだけ空間の広がりが克明に再現されるということです。その上、ソロイスト(テナーサックスでもピアノでもボーカルでも)の音像が立体的に感じられるのです。2チャンネルのステレオから平面的ではなく立体的な音像が構成されるのは不思議です。バックの演奏の位置は定位置ですが、彫が深くなったように個々の音がはっきり聴き取ることができて他の音に埋もれてしまうということがありません。
 
 更に、ソロイストの感情的な表現はDADDYよりも数段上のように思います。演奏しているときの演奏者の感情の起伏がこんなに判った(様に感じ取られた)のは初めての経験です。実際のライブのCDを再生すると、楽器から空間に放たれた直接音と会場の壁などに反響してできるエコーとの分離が克明です。

4.その他
  
 DADDYの表面仕上げは光沢があり、BIG-JZAAの表面仕上げは半艶仕上げのようですが、それがそのまま音に反映されているように思います。表面仕上げも音に影響があるのでしょうか?DADDYは最新の海外高級アンプがよく聴かせてくれるような若干【つるつる】した大変美しい音です。反面、実際の音はそこまで美しく綺麗なものではないような気がします。BIG-JAZZにすると音の産毛のようなものまで表現され、大変自然な音触が感じ取られます。
 
 DADDYとBIG-JAZZを対比してしまうと、上記のようにDADDYが劣っているとの表現となってしまいましたが、DADDYも非常に高度な性能を持つインシュレーターであることは事実です。又、聴く音楽の種類によってはDADDYが最高の実力を発揮できるものと確信いたします。私が聴くJazzに限っては上記の通りです。
 
 まだBIG-JAZZを設置してから3日目です。今後、1週間、1ヶ月とどんどん音が変化していくのでしょうね。楽しみです。DADDYを使用しての経験と、今のBIG-JAZZの感触から更にどんどん良くなっていくことを確信しています。

 以上です。購入に関する質問は別mailで送信させていただきます。まずはBIG-JAZZの感想から連絡させていただきました。


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