その12 「清楚で柳腰」 |
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3日経っても、4日経っても寺島さんから連絡がありません。そうです今日でBIGJAZZを3個送ってから6日目になります。おかしい?着くと同時に「これは凄い!、これこそ待ち望んでいた音だよ!」という、返事が返ってくるものと思っていたのに、一体どういうことなのか?これは期待した音とは違う方向に変化したとしか思えない。 シビレを切らしてこちらから電話をしました。 カイザー 「お気に召していただけましたか?寺島さん」。 寺島 「それが、そうじゃないんだよ〜、『清楚』になっちゃたんだよ〜」。 カイザー 「え〜?『清楚』ですか〜?」。 想像もしていなかった言葉が返ってきたものですから、さすがの私も頭の中が真っ白になってしまいました。 「私はテッキリ、BIG JAZZを聴くと同時にカイザーさん、いいね〜!とご機嫌の声が聞けると思っていたんですよ」。 寺島 「そうなんだよ〜僕も良かったらすぐに電話をしようと思っていたんだけど、それがLINNのCDに3個入れても、前に1個入れただけでも同じような変化はあるんだけどやはり傾向は同じ、『柳腰』になっちゃうんだよ〜」。 「上手く言えないけど、音に隙間が出来ちゃうんだな〜」。 カイザー 「そうですか、実はBIGとBIG JAZZの音の違いを、私は『静』と『動』の違いと感じてウェブ上でもそう書いたんですよ」。 寺島 「エッ、どっちが『静』でどっちが『動』?」。 カイザー 「BIGが『静』で、BIG JAZZが『動』です」。 寺島 「うちでは反対だよ〜」。 カイザー 「そう、おっしゃるんですから、そこではそのように聴こえるんでしょうね〜、これは私にとっては大変なテーマがまた出来ました」。「寺島邸では同じインシュレーターを入れても反対の感じをもたれた、『音のカラクリ』を今一番の研究にしているわけですからここで引き下がるわけにはいきません」。 「寺島さん、これはちょっと一筋縄では行きそうもないので長期戦で行きませんか?」 寺島 「あ〜いいよ!」。 カイザー 「それと、今日の今のやりとりをウェブ上にそのまま正直に書かして頂いてもよろしいですか?、僕としては真実を伝えていきたいんです」。 寺島 「それはいいことだ!カイザーさんは勇気がある、これからの時代はそうでなくっちゃ」。 カイザー 「それでは、次のロットが出来上がりましたらまた9個送りますから、他の機材と足並みが揃ったところでどのように変わるか、ジックリ時間をかけて試してみてください」。 私はこう言うのが精一杯でした。 しかし、どう考えても私には納得がいかない、「BIG JAZZは私の耳にはファイトを前面に思い切って出してくる音なのに」、「清楚で柳腰」とはまるで正反対じゃないか。 電話の向こうの寺島邸で何が起こって何がどうなっているんだろう? これはもう吉祥寺へ行くしかない。 次回、この耳で確かめるまでは死んでも死にきれない。 |
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