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その53 『オーディオは銭だ!』 VS 「オーディオは腕だ!」

『オーディオは銭だ!』

『100万円以下の物は俺に勧めるな!』

と、言って、はばからないのが寺島氏です。

冗談とも本気とも取れます。


一方、「オーディは腕だ!」

と、真っ向から異を唱えるカイザー!

危険なバトルを予感させるイベントであります。


当日私が用意した、安さ極まるシステムは・・・

アンプは中国製で元値5万円!

電源タップは台湾製で元値1万円!

”技術還元シリーズ”と銘打ち、

モディファイモデルとして、

ローゼンクランツから販売している物です。

CDプレーヤーは中塚会長から借りました。


スピーカーケーブルに至っては、

Music SpiritのSwingで1メートル650円。

ここまで安い機器でアバンギャルド・デュオを鳴らすのは、

さすがに、メグ始まって以来の事でしょう・・・


しかし、これでバリバリに鳴らしたものだから、

寺島さんも、たまったものではありません。

いきなり、ストレートに近いジャブが飛んで来ました。


 

『カイザーさんの音は、まとまり過ぎていて面白くない!』

『私なんか、どんな音も三日で飽きてじっとしていられない!』

『もっと、個性のある音にならないものかね?!』
(その言葉も私に対する常套句となり、効き目も弱くなりました)


 

「飽きるのは、寺島さんの音が良くないからです!」

「個性はアーティストが演じるのであって、

ステレオが個性を演じてはいけません!」

と、このように、私も一歩も引きません。


『言ってくれるじゃないか!』

『そう来なくっちゃ!!』


そこで、評論家の林正儀さんが割って入るかのように、

『古い名盤も良いけど、最近の録音も聴いてみたいよね!』

と、言って、寺島レコードの主役である、

松尾明のディスクを取り出しました。


時として、こうしたオンマイク録音の物は迫力があるように聞こえますが、60年頃の名盤ばかりを演奏した後では、個別録りでコンプレッサーを効かせた音作りがとても不自然です。

セッティングが良くないケースだと、そうしたディスクの方がむしろ良く聞こえたりするものですが、私のようにきちんと合わせたセッテイングだと、時間軸に於ける人工的フェイクが露呈されるのです。

真の迫力とダイナミックレンジとは?
強い音が強く、弱い音が弱く入っている事が絶対です。

弱い音も強く入れた音は強弱の変化に乏しく、
見せ掛けの迫力でしかありません。

『今のような音は、マイクをシンバルに5センチ近くまで近づけて録っている』との説明に、会場の皆さんもその音の違いには改めて驚いたようです。良くも悪くも、色々な音の違いを体験して欲しい! そんな評論家としての思いが現れた一幕でした。

『ところで、カイザーさん!』

『今日の新製品の試聴はどんな曲でやるのかね!』


「それは決まっています!」

「格調高い、エリントンとベイシーの共演盤で行きます」。

『オーディオは個人の好みだ!』

と、寺島さんは仰いますが、

デフォルメが過ぎるのは如何なものでしょう?!


「オーディオの常識を覆す、ルームチューニングを紹介したいと思います」。

部屋の空気にホーン効果を付与するという、Stream Reviverという製品です。簡単に言うと、気圧差を利用した気流の加減速装置であります。これは部屋の空気を根こそぎ動かすので、スピーカーから遠い席の人ほど、生きた音を感じ取って貰えるはずです。

その音の効果の有り無しを実験するには、ビニール袋を被せたり外したりするだけで可能です。その効果に、皆さんは、手品を見ている時のような顔になり、会場は口々に起こる会話で騒がしくなりました。


本当にその場に居合わせているかのような生々しい音なのです。


スリルあり、笑いあり、緊張感ありの、

一部二部合わせての3時間はあっという間に過ぎます。

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