アバンギャルドの新製品 UNO FINO をエソテリックの機器とケーブルを使って鳴らす企画が組まれました。誰が言い出したか知りませんが、通称コバンギャルドです。
吉祥寺に着いたかというように、西の空が見る見る黒くなり、慌ててコンビニでビニール傘を求めました。車から出るのも躊躇するほどのゲリラ豪雨に見舞われたのです。正にバケツをひっくり返した状態。
そんな諸々の理由があって当日は一時間ほど遅れての到着です。箱のサイズからは出るはずのない重低音がUNO FINOから鳴っていました。30年ほど前に一世を風靡した、MFB回路付きのエンテックというスパーウーハーの音を思い出しました。低音と言うよりも重たい音です。
UNO FINOの説明の中で、モーショナル・フィードバック式だと聞かされ納得した次第です。30年前の私はその音に驚き魅力も覚えましたが、電気や振動の時間軸の研究をするようになった今では、低音が遅れずに鳴ってはいるものの、遅れてしかるべき音までも遅れないで鳴っている。ミクロレベルでのその不自然な正確さが、私の耳には却って耳についてしまいます。
ロックされたかのように正確なタイミングで鳴るMFBの低音は、一般のオーディオマニアの方達には素晴らしく高性能なスピーカーの音として感ずる筈です。この日の低音の聴き分け力の向上と成長に自分で自分に驚いています。
今日は参加して本当に良かったと思いました。
そろそろお開きになろうかというタイミングに、寺島さんからカイザーセッティングでの音を聴いてみたいとの要望がありました。いつもいつも私が出しゃばっていたのでは、気分を害する人達も出て来るでしょうから・・・正直乗り気ではありませんでした。
私のセッティングの音を聴いてみたいとの要望が会場の雰囲気から感じ取れたので頑張ってみました。ステレオが本来のステレオとして鳴り始めたのが分かって貰えたようです。UNO FINOから音楽の魅力を感じ取れるようになりました。
寺島さんも耳が肥えてきたのか、私の出す音を徐々に評価し始めたのです。変われば変わるものです。イベントも終わり、片付けが進み会場がガランとした中での事です。