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脳の中の前頭連合野の働き


 私の暴力論 ( 朝日新聞8月15日付) 脳科学者 澤口俊之氏の話に興味を持ちました。人間の「暴力」を脳科学的な観点からいうと脳の前頭連合野の部分が大きく関係している。前頭連合野は感情を適切に抑え、相手の気持ちを汲み取り、自分の置かれている状況を知る。すなわち人間にとって重要な社会性や理性を育む働きをしている。そこが上手く機能しないと暴力犯罪を犯したりするそうです。他の哺乳類にはこの部分はほとんど発達せず、人間に一番近いとされているチンパンジーでさえも人の1/6位だという。

 小さい頃に仲間との遊びの経験が少ないと引きこもったり喧嘩が絶えなかったりする。理想は多様な年恰好の子が集まって戸外で遊び、もみあい、又喧嘩もしてそのような中から弱い子への手加減や強い者への敬意など色々学んで行く事にある。室内でTVゲームなどに夢中になってやるのはよろしくない。前頭連合野の働きが弱い人たちの行動のいくつかの特徴としてあげられることに、電車の中で平気で化粧をしたり、足を投げ出して座ったり、また大声で携帯電話をかけたりとか公徳心に欠ける振る舞い。

 最近ある小学校では平等という意味合いから順番のつくかけっこもしないとか、そんな腫れ物に触るような教育の中で育った子どもたちは不幸以外のなにものでもない。やがて厳しい社会に出た時に僅かの我慢も出来ないわがままで年だけ喰った子ども大人になってしまうでしょう。その事と関係があるかどうか解かりませんが、定職に着かずフリーターという言葉が立派に一つの職種のように定着してしまった。これには本人たちの問題だけではなく、社会の大きな変革期にある今の時代の問題点として、行政や政治のほうに大きな責任があるでしょう。

 気をつけなければならないのはI.Q中心の知育教育一辺倒になるとトータルバランスの悪い人間になってしまうということです。そうした人たちが教員試験に受かり教壇に立つと、ひとみ輝かした、はつらつとした子供達の未来が不安になってきます。
 
 また生き物の進化のなかで暴力を考えた場合、生物は全て自分の遺伝子を残す為の戦略を持っていて霊長類の中にも仲間を殺す遺伝子を持っているサルもいるそうです。一夫多妻制のハーレム社会で敗者となったオスたちが徒党を組んでボスをその座からひきずりおろしそして自分たちの遺伝子を受け継いでいない子どもたちを皆殺しにするハヌマラングールがその典型例です。


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