トップ情報最近のニュース最近のニュース2002>オーディオ業界に激震が走る

オーディオ業界に激震が走る


 「ナカミチの倒産!」、「マランツ社リップルウッドに身売り!」、1年前にもコロンビアの機器部門がリップルウッドに身売りをしたばかりです。水面下で大きな地殻変動が起きているのは間違いありません。バブル時には日本企業がマンハッタンの名門企業を次々と買収し、話題をさらったことはまだ私の記憶には新しいモノとして残っています。しかし、ここに来て全く逆の現象が起こっています。

 また身売りまでは行かないにしても、T社も「国内営業所体制変更について」、というFAXが3月5日当社にも届きました。福岡、広島、名古屋、仙台、札幌と5つの営業所を閉鎖するという寂しい案内です。しかし、この挨拶文で何か引っかかるものを感じずにはいられません、それは次のくだりです。

 このたび営業所を東京と大阪の2ヶ所に集約することにより更なる集中化を進めさせて頂く運びとなりましたのでここにご案内申し上げます。情報端末等のITツールを装備したセールス担当を各地域に密着させる体制を発足させることにより、御取引先様及びユーザー様には今まで以上に的確で市場に直結した最新の情報をご提供することができ、新たな販売体制を構築できるものと自負致しております。御取引先様におかれましては、上記の主旨をご賢察の上より一層のご理解ご協力頂きますようお願い申し上げます。

 内部体制をどのように変更するかについては、何も私が異論をはさむ余地はありません。しかし、私がアレルギーを感じるのは、取引先や顧客に今までと比べると明らかにサービス低下につながるのは分りきっているにもかかわらず、「謙る言葉の一つも無く」、それとは逆に今まで以上のサービス提供が出来ると自負しておりますと言うのが、事の重大さと、何故このような事になったのかという真の問題点を掴めていないとしか思わざるを得ません。なにか第3セクターのような感じを受けます。

 何も着飾ることなど一つもありません。こうした苦しい時期を「お互いに力を合わせて乗り切り頑張りましょう」、という気にさせる心のこもったものをメッセージとして発して欲しいものです。

 今日の構造不況の発火点は、最初にAIWAが人件費の安い海外に工場を移設し、価格破壊を始め、もてはやされたことにあると結論付けられそうです。その内、我も我もと後を追い価格競争が勃発し、今日の構造不況に陥ったわけですが、その当のAIWAも自力では再建不可能と見て100%SONYの子会社になることでかろうじて存在しているという皮肉なものです。


back