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神輿にぶら下がる人たち


 このところ政、官、業と、どの業界にも嫌なニュースばかりが目立ちます。「栄枯盛衰」という諺がありますが、まず最初に「志ある人」が一つの理念をもって物事を起こし、世間の評価を受けて成長していきます。これが第一成長期で、その中で創業者の教えを正しく受け止めたいい人材が育ち、その組織や会社は次第に発展して行きます。これが第2成長期です。ここまでは、名実ともに権力のあるボスの下に意思統一が図られ、組織の理念というものが上手く機能していくのですが、問題はこの後からです。

 内容や将来性の素晴らしい組織に入り、安定した生活を手に入れたいと願うのは誰しも同じことで、理解できない訳ではありませんが、しかし、どこよりも「休みが多く」、「収入も多く欲しい」という考え方の人達が組織の大半を占めるようになった時にはその組織はもう死に体同然です。

 そうした組織の中では主導権争いばかりに終始し、決してその目が社会や消費者に向けられることがありません。今回のM銀行などはその際たるもので、その認識の甘さはあの国会答弁の中で「実害は出ていないけれども、大量のクレームが来ている」と言った言葉に全てが集約されています。責任の全ては社長の自分あるということが認識されていない、これには小学生以下だと思いました。完全に腐りきっているとしか言いようがありません。

 経営者自ら神輿にぶら下がっていたいという考えがありありですからもうどうにもなりません。こんな考え方の人間の集まりの組織を、国をあげて税金で助けるものですから何をかいわんやです。もう国民の怒りは頂点に達しています。

 国債発行額たるや690兆円となり、国家予算の8倍にもなる金額です。その数字が如何に異常なものであるかは、個人的に置き換えてみれば年収の8倍もの借金をしていることになります。そんな収支内容を見せればどこの銀行が金を貸してくれましょう。日本の国債の信用は先進国中最低まで落ちたそうです。その内国民の預貯金1,200兆円を国の異常事態だといって全部巻き上げ清算するつもりなんでしょう。それならまだ400兆円もの黒字だという考えがどこかにあるとしか思えません。これこそが神輿にぶら下がる人達の考え方の本質でしょう。

 こうした事は暇が無く、あらゆる所で繰り広げられています。秘書の給与搾取、官房機密費で背広誂え、また良識の府であるはずの参議院の議長自ら6,400万円もの賄賂疑惑で辞任、もう呆れてモノも言えません。政治家は国民の鏡ですから、結局は国民そのものの資質が問われているものとして受け止め、選挙でキッパリと意思表示をするしかないでしょう。


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