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私の物作りの原点


 錦糸町へ家具を見に行った時の事です。エスカレーターで目的は6階なのですが、なぜか2階で降りてしまいました。その日は靴が私の目に留まったのです。元々靴道楽の私は気に入った場合同じ靴を「黒」と「茶」二足買うというのが特徴です。それと2万円以下の物は買わない!、そう決めています。それが、なぜか今日は8,000円、5,000円の物でも私をそそるのです。

全部中国製です!、イタリア、フランスも真っ青。

 以前にBARRYというスイス製のゴム底のスウェードで私のお気に入りがありましたが、製造中止になりそれに変わる物を探していますがなかなか見つかりません。今日のは、私の足にそこまでのジャストフィット感ではありませんが、足に馴染むといいますかいいフィーリングです。

 そこで、息子にも同じモノの色違いを買ってやり、次は6階の家具売り場です。イスだけは実際に座ってみないとシックリ来るかどうか座り心地が分かるものではありません。ソファーについては手ごろな値段で気に入った物が無く、椅子だけ気に入った物があったので二脚注文して帰りました。

 10日ほどして入荷したという連絡が入ったので、取りに行く為に車で出かけたのですが、何とも凄い混みようで、ウンと先の入り口からでないといつまでも駐車場には入れそうもありません。ホテル等の大きなビル3個か4個分が地下の駐車場ではつながっているようでした。

 やっとの思いで車を地下2階に停め、エレベーターで連絡されている中庭のような所へ出ました。そこからとなりのショッピングセンターに出入り出来るみたいで、入ったところで前回買った靴屋にまた出くわしました。また家具コーナーには行かないで、靴を手にとっては履いてみてをし、この日も二足買いました。

左のモカシンタイプは毎日履いています、これが楽なんです。

 それが本当に安いんです!。よく見れば中国製なんですが、デザイン仕上げなどは一流のイタリア製と遜色ありません。私の親父は晩年靴職人をしておりました関係で、小さい時から夜なべして革靴を作っているのを目を食い入るようにして見て育ちましたから、出来上がっていく行程は頭の中に全部入っております。そんなわけで靴を見る目は誰よりもあるつもりです。

 そうしたモノ作りに関しては小さいころから興味があったのでしょう。目に入って来る関心のあるものには立ち止まって何時間でも見ていた記憶があります。畳屋さん、家具屋さん、鍛冶屋さん、大工、左官、特に畳1枚ほどの鉄板の上にセメントと砂を混ぜ、池のようにして中に水を貯め、2人で向かい合って少し小さ目の混ぜ用のスコップで「えいっさ!ほいっさ!」と掛け声を掛けながら、交互に息を合わせてセメンを練っていく光景などは芸術品でした。

 小学4年生か5年生の時には魚釣り用の釣り箱を作りました。道具には事欠きませんでしたから、上手く底には竹を敷いて、上の部分はすじ糸、ウキ、おもり、針入れ等仕切りを付けてそれは立派な物でした。今でもハッキリと思い出します。それを自転車の後ろに積んでは釣りに出かけていました。

 子供の頃にそうした物をたくさん見たり作ったりしてきたことが、知らぬ間に今のローゼンクランツのモノ作りに役立っているのでしょう。今この文章を書きながら初めて自分で確信出来ているのです。無意識の中の意識として身についていたのでしょう。これで私も納得がいきます。


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