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冥土の土産


 記念すべき東京試聴室の第1号のお客さんは、つい最近P-0の専用脚であるRK-P0を試聴されたのちに買って下さった福岡のTさんという方です。一気に音楽を奏でるようになったとの感想を頂き、少しはお役に立ててよかったと思っていた矢先にお電話を頂戴しました。実は、東京にも事務所を持っているので来週尋ねて行っても構わないかと言うのです。

ゴールドのトレイとボタンとRK-P0の脚が見事にマッチしています。

 もちろん、お越し下さるのは何の問題もないのですが、まだ準備中で音が出せる状況ではない事をご理解頂いた上であれば、是非お越しくださいとお伝えいたしました。また、ご感心のあるインシュレーター関係とナイアガラについてはこちらに置いてありますのでご覧頂くことは可能です。

 「最寄の駅までお迎えに上がりますよ」と申し上げると、「車で行くのでその心配はご無用」との事。今はナビがあるから住所さえ打ち込めば、勝手に車が目的地まで連れて行ってくれるので一向に不自由はしないとおっしゃる。私などはついこの間ナビは買ったものの、説明書も読んでおらず、恥ずかしいかな有効にまだ使えない有様です。

 地下の駐車場を確保しておこうと、1階の管理人室へ行ったりでウロウロしていると、もうマンションの前まで来たと言う電話が入ったと言って、息子が急いで私のもとへ下りて来た。自分の車まで取りに行ったガレージシャッターの開閉用リモコンを使って地下の駐車場へとお連れします。

開設間近のカイザーサウンド東京試聴室。

 部屋にご案内し、色々とお話をお伺いさせていただくと、ご自身で子供の教育関係のソフト開発をやっておられる実業家の方です。東京へ出てきてから事業の方が軌道に乗って来たとおっしゃるので、私にとっても大変縁起のいい話です。

 Tさんのお話はとっても新鮮で為になることが多く、好奇心の旺盛な私は、オーディオの話はそっちのけで自分の聞きたい話を聞かせてもらうことばかりに終始していたようで、あとで反省しなければと思うばかりでした。こうして、Tさんとはすっかり意気投合したものですから、もう1件の仕事とからませて翌週には福岡のご自宅にお伺いする事になりました。

 クリニックにお伺いさせて頂くと約束はしたものの、デモ用のACケーブルはすべて一人のお客さんが買い占めてしまったものですから、肝心なナイアガラにつなぐケーブルがありません。2〜3日あるから1本くらい作れるだろうと思ってたかをくくっていましたが、ここのところの忙しさは半端ではなくあっと言う間に明日に迫ってきました。

 もうこうなったら今晩泊まるホテルで作ろうという、何とも無茶苦茶な考えを起こしています。しっかりと、ぬかりなく揃えたつもりでもやはり欠品がありました。広島と東京とを行ったり来たりの関係で、材料やら道具があちらに有って、こちらに無い。ここの所、こんな不自由なことばかりです。足らないヒートカッターや半田ゴテ、圧着ペンチ等はK氏に借りました。

 さらに、徳山あたりに差し掛かったところで思い出したのは圧着端子です。それも方向までしっかり調べて、また、予備まで用意しておいた物がかばんの中を調べても見つかりません。仕方なく徳山西インターで下り、家電量販店やら日曜大工センターも回るのですが丁度いいのが見つかりません。

 すると、目の前に日立ショップがあるではないですか。こちらに置いてなくても、取引先の電材問屋を紹介してもらえればどんな物でもあるはずです。事情を話し、お尋ねすると丁度裏に問屋があるので案内しようと言って下さった。

 案の定色々と沢山ありました。これで間違いないと思って1箱100個入りを講入。博多のホテルについて、シャワーを浴びて落ち着いたところで、さぁーこれからと思ってケーブルに挿してみると「何と入らないではないか!?・・・」。サイズは(3,5-5)これで間違いないと思ったのに、・・・ギャフ〜ンです。

 こうなったら約束の当日に作るしかありません。朝が来てアートクルーの松岡さんに電話を入れます。彼はこういう工事関係のことには詳しいから電話でナビ役を買って貰い、街中の混雑した「カホ無線」という所を教えてもらいます。「有りました!、有りました!」目的のワンサイズ大きい(5,5-5)。

 一目散にアートクルーまで行きそこでケーブル作りです。「へぇ〜!こんなにして出来るの?」とか、方向を調べるのに簡単そうにやっているのを見て、「尊敬していたのに、カイザーさん本当に大丈夫なの?」とか言って、3人で冷やかしてくれます。「前原(まえばる)ならそこだから、高速使うことなんかありませんよ!」という、松岡さんの言葉を信じ、一般道を走りましたが何と40分以上掛かりました。

 最終的に約束の時間に遅れること1時間ちょっと。古い商店街を抜けた先の閑静な住宅地といった所でしょうか、「フェラーリが停まってありますから分かると思いますよ」というインフォメーションは頂いておりましたが、実際にフェラーリの持ち主にお逢いするのは初めてです。

 また、その横を空けておきますのでそこに停めて下さいと言われておりましたが、こんなに車庫入れに神経を使ったのは初めてです。何とか無事に入りましたが、もう一仕事したような気分です、「あ〜疲れた・・・」。

 オーディオの置いてある2階に案内していただき、ひと通り眺めると大体の事はイメージ出来ます。今日の現場で一つ気になることは御影石が多用されていることです。「先ず、ジュースでも飲んでゆっくりやって下さい」。といって差し出された物を一気に飲み干すと大分汗が引いてきました。


 最初のクリニックは、4344MKUの足元から始めることにしました。一つ試みては聴いて頂く、この繰り返しをやらずして相手に理解してもらうことは不可能です。「何を」、「何の為に」、「どういう理由で」、「どうした」から「どうなった」のだ。という「音のカラクリ」を説明しながら音を組み上げて行くのですが、これには大変な「手間」と「根気」と「スキル」が要ります。


 そのスピーカーの足元についても、いま使っている鋳鉄とステンレスのインシュレーターでは、硬い物同士でお互いに負けまいとして、ベースの御影石と喧嘩状態になっているのです。それを理解していただく為に、ローゼンクランツのウッドブロック(WB-HM105-52,5)に交換してみます。

 すると、木には程よい振動減衰能力があるのでスピーカーが伸び伸びと鳴るようになってきます。この場合はスピーカーの箱の木とウッドブロックの木ですから、柔らかい物同士という事になります。したがって、音はと言うと切れ味に欠ける緩い方向に行くのです。


 この両極の音を知ってもらう事こそが、どのポイントに良い音が潜んでいるのかと言う事を理解して頂くのに重要なのです。ここで初めて、理想の振動処理とはどのような状態になったことを言うのか、ローゼンクランツのインシュレーターの出番なのです。

 この時点で一旦4344MKUのアッテネーターを合わせます。お伺いした時にはドライバーのレベルがかなり上がり気味でしたので、その事もやかましく感じた原因の一つです。そのアッテネーターの合わせ方のコツですが、すべてのボリュームを先ずミニマムに絞ります。ボーカル物を掛けると、かすかにウーハーから声が聞こえてきます。


 次にその声がミッドバスから聞こえるようにレベルを上げていきます。今度は、逆に絞って来てその両者のユニットの真ん中から声が聞こえてくるポイントに合わせ込みます。これで初めてウーハーの力をミッドバスが取り込めた事になります。

 例えを上げて説明をするならば、足の遅いウーハーと脚の速いミッドバスが二人三脚で走ることを考えた時に、遅いウーハーに合わせてあげる事が両者が一番速く走れるという風に理解してもらえば解り易いのではないでしょうか。後は全く同じ要領でドライバーとミッドバスの関係を作り、ツイーターとドライバーの関係を作り上げていくのです。

左はメーカーの指示に近いアッテネーターの位置。右は私が調整したアッテネーターの位置。

 そのアッテネーターの調整ですが、いつもに比べてもう一つ自分自身に納得のいくポイントを作り出せないのです。この最近私のリファレンススピーカーの音をしばらく聴いていませんので感が鈍っているのでしょう。もう一つ調整したいと気持ちは思えども自信が無く、つまみに手が触れられないのです。

 92〜93点には行っているのですが、それ以上触ると返って悪くなるのが目に見えています。そんな自分を尻目に次の作業に取り掛かります。次はスピーカーターミナルの結線方法の確認です。現在は低域側から信号を入れておりますのを高域側から入れることにします。

 その際、ターミナル間を連結している真鍮のプレートの方向を調べた上で組み直します。もちろんその時に注意することはスピーカーケーブルから来ているY端子をそのプレートの下側に挿入することです。こうする事によって信号の劣化が最小に抑えられるのです。これらの処置後の結果は音抜けが飛躍的に向上することです。

左は低域側からの結線。右は高域側からの結線。方向性を示した矢印が見えます。

 本日はTさんの要望もあって最高級のPB-BIG JAZZを使っての実験です。前1点にするか、2点にするかの二通りありますが、今回は前1点後ろ2点の3点支持で行きます。セットをし終わり、Tさんの好きなフランク・シナトラを聴きます。固く、キツイ、金縛り状態だった鳴り方から次第に朗々とした王者の風格が甦ってきました。

 ただ、スピーカーから重低音が出た時に、後ろの壁との距離を取っていない為に背圧が掛かり、太鼓状の壁が共振して不快なこもり音を発しています。これを解決するのに大半の人はイコライザーに頼るか、マイクロホンを持って来てスペクトラムアナライザーよろしく部屋の音響特性とやらを知りたがるのです。

 こうした事は全くのナンセンスでして、出さなくてもいい不要な音を自から出しておいて、それを出るものだと思い込み、部屋の問題と勘違いしているのです。

 これは99%の人がはまるパターンです。物作りに携わっているメーカーの人間がそのように信じ込み、また、そうした考え方の元に商品開発がなされ、情報も発信されるのですから仕方の無いことではあります。

 それを解決すべく、フローリングの板の枚数を目安にスピーカーを前に出します。初めは3枚ほど、さらに2枚と何度も試みては聴きます。すると、いいポイントに近づいた時には、一気に音抜けが良くなり、透明感が出て来るようになります。さらに前に出すと、今度はまた違った不自然さに遭遇します。この時点で先ほどの良かったポイントまでもう一度戻してやるのです。

 こうした繰り返しによってより良いポイントを探り当てます。感覚的には一気に部屋中に音楽が充満するように、また、爆発するようなエネルギーを感じるポイントということになります。そのポイントがこそがその部屋に於けるベストポジションです。これは「その部屋の波動コントロール」になります。


 気がついたら外が薄暗くなり始めて来ていましたので、私はあわてて「フェラーリに乗せて下さい」とお願いしました。玄界灘の海岸線沿いのワインディングロードのドライブです。自然が沢山残っていてそれはそれは素晴らしい眺めです。


 「フェラーリの一番良い所はどこにあるのですか?」という私の質問にたいして。Tさんは、「そうですねぇここ一発の瞬発力でしょうか」。「一気の加速であり、コーナーリングにあるでしょう」。「お気づきのとおり決して乗り心地は言い訳ではありませんし、ロングツーリング向きではありませんね」。「人生に勝負を掛けている人達やスポーツ選手とかはこういった昂揚感を欲するんじゃないですか?」。


 「軽く魚でも食べましょうか?」と言って、Tさんが案内してくださった所は、砂浜から海の方へ軒を延ばしたようなバルコニー風のしゃれたお店。瞬間に私は、ロサンゼルスのルート110を走って、ヨットハーバーの見える海岸線沿いで食事をした時の事を思い出しました。目の前は海と山の自然に囲まれていて、これを背景にしての立地は何物にも変え難いものです。


 すごくさわやかな夕暮れです。さっきまで緊張してステレオを調整していたのが嘘のようです。その店を後にして、ぐるりとコブのような地形の海岸線を一回りする30〜40キロのドライブでした。車中で私の口から漏れた言葉は、「これで冥土の土産が出来ました!」でした。


 戻った時には予想以上の時間になっていました。この後の私に次の約束が控えている事をご存知のTさんは気を利かせて下さって、「そろそろ行かなくてはいけないでしょう?」と言ってくれました。はい、でも、このままでは尻切れトンボになってしまいますので、予定を変更してもう一度明日お邪魔して最後まできちんと調整しましょうと言うことになりました。


冥土の土産・・・その2


 午前11時の約束の5分くらい前にTさんから携帯に電話が掛かってきました。「いまどちらですか?」、「はい、前原のインターを下りた所ですから、もうすぐ着きます」。Tさん宅に着くと美人でスラリとした奥さんのお出迎えです。

 早速二階の方へ上がらして頂くと、あまりにも良い音になったので昨日は明け方の5時まで聴いてしまったそうです。そしてマッキントッシュのプリとパワーでは少し気になっていた音の膨らみ具合がプリをレビンソンの26に替えたら大変良いバランスになったんですよとおっしゃる。

マッキンの音は肉付きが良く、レビンソンはスレンダーな音です。

 なるほど、確かにスッキリとして低域から高域まで良いエネルギーバランスになっているのがよく分かります。ただ、シナトラの声が10歳くらい若返ったのと、残念ながら生気に欠けた音になってしまっている。良くなった点が70、悪くなった点が30といったところでしょうか。

 ただ、この上を追い込んで行くなら、間違いなくレビンソンの方がはるかに可能性が大であることは容易に予感出来ます。「ちょっと、僕は銀行にいってきますから」といって、Tさんは席を立たれました。はて、「昨日どのように試みられたのかなぁ?」と、機材の裏やら方々を事細かく観察しておりますと、何ヶ所か気になるところを発見いたしました。

 先ず、ナイアガラへの機材の差し込む順番が致命的な間違いを犯しています。一番左のコンセントすなわち一番良い電気がもらえる所です。そこにはマッキンの巨大なパワーアンプがつながれているではありませんか!。これが生気のない音の大きな原因の一つです。なぜかと言いますと、一番上手に電気をよく食うパワーアンプをつなぐと、あとのコンセントには力の無い電気しか残っていないのです。

左の2本は純正のベルデン製、右の2本はキャメロットのACケーブル。

 すぐに、ナイアガラにとって理想の結線である左からCDトランスポート、DAコンバーター、プリアンプ、パワーアンプとつなぎ直したのです。するとシナトラの声に生気が甦ったように温かみのあるものになりました。

 あと、ジャンパー用の真鍮プレートの上側にY端子が入っていることも、昨日私がセットした時の状態とは違っております。この時Tさんが帰って来られ、「そうなんです、結線している時にプレートが落ちて、どちらの向きか判らなくなったので適当に差し込みました」と聞かされました。

 「そうならない為にも、マジックで矢印を書き込んでおきましょう」。スピーカー部分のケーブルの確認を終えたところで、裏に沢山使っていないで余っているケーブル関係をきれいに整理する事にします。パワーアンプにバナナプラグを使って結線しているのも止めて、裸結線に変更。

 次に気になるところは、CSEの2台のアイソレーション電源です。これは買ってはみたもののハッキリとした効果は分からなかったそうです。「都会のマンションのような所では電気が色々と汚染されているので、音が良くなったと言う報告は多く聞いていますが、こちらの環境でしたら返って使わない方が良いでしょう」、と言う事で、これも思い切って外すことにします。なぜならば、音は確かにきれいにはなるのですが、何せ力が無くなるのがいけません。これは環境によって判断基準が大きく変わる製品なのです。


 こうして、使う物と外す物とを区分けして行きますと、向井の御影石ラック二つに実際に使う物だけがきれいに収まるようになります。どうせ、ラックのスパイク受けにはPB-JR(H)を履かさなければなりませんので、結局ばらして組み直しです。石ですから重たく大変でしたが、これで整然と気持ちよくレギュラーメンバーが勢揃いした事になります。この段階でもう一度ピンケーブル、デジタルケーブルの方向チェックをしてから結線致します。

ラックのスパイク受けにはPB-JR(H)。

 ただ、あまりにもデジタルケーブルがお粗末なので、良い物に変えて欲しいという事になり、持って来ていたDig−4EX(Perfect)をつなぐ事になりました。一応この状態で試聴することになり、果たして、その音の結果はいかがだったでしょう?。

 一気に2ランクほど上がりましたので、これで60点になりましたと言うと。ここまで良くなってもまだ60点かと、Tさんの顔には書いてあります。これから、DAコンバーターにPB-BIG JAZZを入れて聴きます。またまた、シナトラの声質が本物に近づいて来た感があります。そして何より声にデリカシーさが出てきたのが顕著なことです。

 純正の脚を外してBIG JAZZを入れようと試みましたが、脚の取り付がボンネットとシャーシーの共締め構造になっていた為に出来ませんでした。Tさんが2度もネジを買いに走ってくれたのですが、インチネジだったのでしょう微妙にピッチが合わず断念しました。

 ここで他のディスクが聴いてみたくなったのでしょう、Tさんはクラシックの弦楽器のアンサンブルをかけ始めました。すると私の身体に電気が走ったように、スピーカーのアッテネーターを触りたい欲求が起こって来たのです。

 こんな自信に満ちた感覚は初めての事です。すなわち、触りたいということは今出ている音がおかしいと判断し、また、今現在のポジションより上の音を出せると言う自信がそうさせるのですから私は嬉しくなって来るのでした。

 すっくと、その場を立ち上がるやいなや、あっと言う間に合わせてしまったのです。それも自信たっぷりにです。ここしばらく引越し騒ぎでまともな音を聴いていませんでしたので、ある意味渇望状態だった事が、こういう研ぎ澄まされたものを呼び起こしてくれたのでしょうか。それは、それは、不思議な感覚でありました。

 当初はBIG JAZZを入れるのはDAコンバーターのみの予定でした。予備を3個持って来ていましたので、「ついでにプリもやってみましょうか?」とお尋ねすると、Tさんは「どうせやるなら、軽いプリより重たいパワーの方が効果あるでしょう」とハッキリと言われた。なるほど、その方が当然良いでしょう。


 重たいけど下ろして脚を外してきっちりやりましょう。重たい割に底板がやわで、場所によっては変形してインシュレーターがきれいに水平に収まりません。苦心して良い場所を見つけてしっかりと据え付けると無骨な黒い純正の脚よりはるかに見栄えのいい物です。

 「これで最後にしましょう!」。昨日も東京行きを延ばしてもらい、今日も最終の9時半の飛行機に変更してもらったわけですから、もうそんなに時間は残されていません。今日最後に聴くシナトラです。素晴らしいシナトラの声です!。「こうまでインシュレーターで音が変化するものか?」・・・。作った本人も本当に満足です。

最終的にこの様なレイアウトになりました。

 Tさん曰く、ステレオの良い音の基準が分からなかったので今までどうしようもなかった。それが今回でよく分かったとおっしゃる。こうなったら奥さんにも聴いて貰いたい。奥さんのディスクQUEENを聴いて貰います。

 「いかがですか?」。

 「いや〜違う!」、

 「すごく柔らかく聴きやすくなった!」。

 「どうしてこんなに違うの?」、

 「同じモノとは思えない!」。

 「ありがとう!、今日使った物はまとめて請求してください、来週九州へ帰ってきたら清算しますから」。

 こうして、終わったのが夜の8時でした。二日間に渡るクリニックを終え、緊張の糸がほぐれて、疲れがじわ〜と出てくるのが分かるのですが、それは気持ちの良い疲れです。


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