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大気圏を越えるような性能の製品にご期待ください


 “Kaiser Wave”に隠されている音の秘密を知るにつけ、息子の探究心と想像力を揺り動かし、毎日のように、私にひらめいたアイデアを教えてくれるのです。

 その理に適った考え方は、私自身にもよく理解できる事とまったく分からない事とがあります。彼は数学が大の得意で何事も理詰めで考えます。反対に私は直感人間で感覚重視のタイプです。

 彼は理屈優先、私は理屈抜き。

 そんな事ですからまったくお互いが理解出来ないで、意見の衝突する事がよくあります。しかし、不思議な事にステレオの音に限ってだけは同じ価値観を持ち合わせているようです。ですから、お客さんのところで音の調整をしている時には良いと感じる音が見事に一致するのです。

 前日言い争いをしていてお互いが口をきかない事があっても、良い音になりさえすれば直ぐに仲直り出来るのです。この背景には恐らく次のような事が要因としてあるのだと思います。

 今から12〜13年前に私はジョーダンワッツのフルレンジ1発で数年間過ごしました。同じように息子にも同じスピーカーをプレゼントしてやったのです。そのモジュールユニットが奏でる音楽には、ハイスピードなリアリズムを感じさせてくれます。

 こうした共通体験によって音楽の感性が共に磨かれたのでしょう。勿論親子ですから、骨格も似ていますし、鼓膜も同じような周波数特性で音を感じ取るのでしょうから、二人が美味しいと感じる音楽のエキスが同じになるのも容易に理解できます。

 私の場合は視覚情報から得られるバランス感覚を中心に音を磨き上げて行くのですが、息子は全てをベクトル化して、脳内で計算の結果音を導き出すのだそうです。息子曰く物を作る具現化力は私の方があるというのです。

 また彼は、自分のことを『突いてもらわないと響かない鐘』だとも言います。自分ひとりでは気がつかないのだけれど、ヒントを与えてくれたら無限に想像性が湧いてくるというのです。

 そうした中から新たなる“カイザーウエーブ”の可能性を発見しましたので、これからローゼンクランツが生み出すアイデアは、大気圏を越えたような性能の製品となって皆様にご案内出来るようになると思います。

 今後のローゼンクランツにご期待下さいませ。


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