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モンゴル人の骨力
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千秋楽結びの一番によって優勝が決まる横綱同士の相星決戦は史上まれに見る名勝負でした。昭和30年代前半にあった栃錦と若乃花の相撲がすぐに脳裏に浮かんで来ました。
両者の巻き替えの応酬、そして引き付け合い、土俵際まで腰を落として力比べ、それをすり足でこらえる朝青龍、一旦呼吸を整え両者土俵の中央へ戻り、勝機を伺います。もう一度寄りながらの白鵬の渾身の上手投げに裏返しになったのは朝青龍でした。この一番の中に相撲の全てがありました。
この勝負を見てかつての日本人と同じ骨力がモンゴル人の両人には見て取れましたが、コンクリートジャングルとインスタント食品に飼い慣らされてしまった今の日本人には”望む方が無理なのかなあ”とつくづく思いました。
彼らは土の上で育ち、放牧の家畜の乳や肉で育ち、馬を乗りこなして育ったのです。全身のバランス感覚といい、野生に満ちています。日本人の相撲取りの中で彼らと同じ若しくはそれ以上の骨力を持っていたのは、千代の富士が最後の力士ではないでしょうか。
相撲の真髄を思い出させてくれたのが外国人力士だった事がちょっと残念ですが、両横綱の意地と意地のぶつかり合いは冥土の土産に余りあるモノでした。
相撲好きの私はとにかく感動しました。
もう一つ最後に、負けても負けても真っ向勝負を挑む安馬の今後が楽しみでなりません。あのひたむきな姿勢が私は大好きです。
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