トップカイザーサウンドマランツPA-01モディファイ実験記マランツPA-01モディファイ実験中・・・その1

マランツPA-01モディファイ実験中・・・その1




 私のお気に入りアンプであるマランツのPA-01を更にいい音にすべくモディファイ中です。限られた予算の中でよくぞここまで音楽の表情を生き生きと再生するアンプを作ったものだと改めて感心しながらの作業となりました。

 このところ忙しくPA-01の音をじっくりと聴く事が出来ていませんでしたが、以前からトランスのうなり音が大きいから見て欲しいと頼まれていた、当社における1号機購入お客さんから、今度はセレクターのツマミがゆるんで外れたとの電話がありましたので、これを機に新しいのと交換させていただく事にしました。ここらあたりの振動の問題はデッドニングをして鳴きを抑える事は簡単なのですが、静かになる分=生気のない音になりかねませんので音決めの重要なポイントの一つでもあります。

 その点このPA-01は生命感ある音作りが出来ているのは、この開放された構造とコンストラクションによる所が大きいのです。その為、静特性上のS/Nは多少犠牲にしていると見ています。このように二律背反するものであり、私とて、このような場合は動特性を優先した設計を躊躇なくします。

 しばらくするとお客さんがアンプを持ってこられたので、早速新品に交換させていただき、そのアンプは、そこそこエージングも進んでいるから当社の試聴機にまわすことにし、その場でつまみを取り付けるついでに、以前から構想を練っていた電源トランスにインシュレーターのマイクロベースMB-18を履かす事を即実行してみました。勿論メーカーのマランツには話をして許可を取り付けております。


 本来メーカー製の物には一切手をつけないというのが私の方針でしたが、あまりにも今回のアンプには惚れ込みましたので電気的回路を除き、「音楽電振エネルギー」の伝え方でどこまで音質グレードアップが出来るかというのが今回の大きなテーマの一つです。

 適当なネジを探しステンレス製の物が見つかりましたので、早速トランスを外してあてがいますとそのシャーシーの構造はうってつけの構造をしているじゃありませんか、「貴方を迎え入れる為に待っていたのですよ」といわんばかりです。インシュレーターの方向が取り付けている間に狂わないように赤マジックで印をつけ、慎重にドライバーで締め付けて完了です。その間わずか5分、勿論その際にネジの方向性を確認する事は怠らずにやっております。

 構想として、あと二つほどやりたいことはあるのですが、一度にそれをしてしまうとどの部分でどのような効果があったのか解りませんので、この度はMB-18を取り付けた効果のみの音の確認です。


 最初に選んだディスクはStereo SoundのリファレンスレコードのVol.6、フィリップス名録音家シリーズの1曲目は、モーツアルトの幻想曲 ニ短調 KK397 ピアノは内田光子です。いきなり拍手から始まるのですが、音が一聴して細身になった感じです、想像していた音と少し違います、私に瞬間少しの不安がよぎりました。あまりにも振動構造が根こそぎ変わった訳ですから別段不思議ではないのですが、正直言って戸惑いは隠せませんでした。

 しかし、その中でも一聴して音楽の「緩急の表現」は豊かになっているのが解ります。これが聴き取れた時に、この先音がどのように発展していくかが私にはハッキリと見通せました。こうなればしめたものです。後はそのまま連続して再生し、時間の経つのを待ちさえすれば、見違えるようなアンプに変身するのは間違いありません。

 2時間位経ちましたでしょうか、予想どおり二順目に入ったバッハのトッカータとフーガ/ニ短調/指揮:小澤征爾あたりからふっくらとした音が出てき始めその片りんを見せ始めました・・・。

 ディスプレーによる目の疲れからレポートを少し休んでいましたが、今日もこれくらいにしておきつづきはまた書きます。


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