トップカイザーサウンドマランツPA-01モディファイ実験記マランツPA-01モディファイ実験中・・・その3

マランツPA-01モディファイ実験中・・・その3





 結論から言いますと徹夜で朝の7時まで3人でアンプのモディファイを楽しみました。一番のメインは電源トランスにインシュレーターを取り付ける事ですが、本日の試みは6種類のネジを使ってどのような音の変化が表れるかということです。

 先ず用意したネジは、M4X12
 
 試聴した順番に
 バインド(普通のなべネジ)

 1. クロメート
 2. ユニクロ
 3. ステンレス

 トラス(頭が半球型のネジ)

 4. ステンレス
 5. ユニクロ
 6. クロメート
左から順番に試聴しました。手前はオリジナルのネジです。

 最初に3人でどのネジの音が一番いいか予想を立ててから試聴しました。
 
S氏が   4. 6. 5. 3. 1. 2
N氏が   4. 3. 5. 6. 2. 1
  6. 5. 4. 1. 2. 3
結果は   6. 5. 4. 1. 2. 3
     6. 5. 1. 4. 2. 3

 ・・・と、このように1.と4.がいい勝負という事で全てに3人の意見が一致しました。

 この結果から推測できるのは、先ずネジの形状が一番音質に大きな影響があるのではなかろうかという事です。その次に表面の仕上げ(色)の違い、次に材質の違いと今回の場合は出たようです。3人とも圧倒的に「トラスのクロメート」が良かったというのは異論がありませんでした。声に暖かみがあって、低・中・高のエネルギーバランスは見事な上に、音の広がり、高さ、奥行感とも申し分ありませんでした。

圧倒的に音質評価が高かったトラスのクロメートのネジ

 3人とも正解だったのは、トラス(ネジの頭の形)がよいであろうと感じた事でした。S氏とN氏は材質についてはステンレスが良いと見込んだみたいでしたが、それに限っては外れたようです。これには非磁性体が良いと日頃から言われている事が強く影響したのではないでしょうか。

 鉄板で出来たシャーシーに真鍮製のインシュレーター(MB-18)を介して鉄板ベースのトランスをネジ止めするわけです。私の場合多くの経験がありますので、ピタリと正解だったのですが、一般的知識や固定観念からいきますと大半の方たちはS氏やN氏と同じように想定するのではないでしょうか。

 この6個のネジによる音の違いがあまりにも大きな差となって現れた事に3人とも改めて驚きを感じた次第です。とにかく変えた瞬間に全然鳴り方が違うのですから、もう一回聴いてみないと解らないなんてことは全くありませんでした。


 このウェブ上でも発表していますが、音は見たとうり触ったとうりの音がします。端的な例は赤黄色をした亜鉛メッキのクロメートは色のとうり音も暖かいのです。その反面、青白い色のユニクロは生気のない音がします。また、ステンレスは一聴するとS/Nが良くなったような印象を持つのですが硬く冷たい音になりました。それより一番問題なのは音量がグッと落ちた事です。これは強度や硬度の違いすぎる物が振動としてぶつかり合った場合の振動の減衰です。

 この事はいい事ばかりのように世間では思われているようですが、私はこれは明らかにそうではないと思っています。バランスがピタリと合った時以外は音が安定しない事の方が多いのです。柔らかい物と硬い物が喧嘩して、双方にけが人が出ている状態と見受けます。或いは言い争っているようにも聞こえるのです。音楽というものは、お互いが心通わせながら育んでいくものでなければなりません。

 その点、鉄板と鉄板の間にピンポイントにバランスされた「歯と歯茎の構造」のインシュレーターが仲を取り持ち、それらをクロメートの鉄ネジで止めた時の状態は、みんな笑顔で仲良く気持ちのいい音楽が聞こえてくるのです。このときの圧倒的なエネルギーはステンレスネジの時の倍のヴォリューム感を体感致します。とにかく「三橋美智也」に始まり、ヴィヴァルディーの四季(アーヨ版)など何とスリリングなのでしょう。「チベットのお経」=その場に居合わせているような空気感。「マーラー4番」3楽章のアダージョこれなど見事な精神世界を聴かせてくれました。また、息の合った「憂歌団」のアコースティックな独特の世界と次から次にいろいろな音楽を聴きまくりました。

赤いマジックの跡がケーブルの方向管理済みを物語ります。

 ネジのあとは、ケーブルの方向性を一つ一つ聴きながら確認して揃えていくのですが、見る見る音が良くなっていくのが解ります。もう本当に100万円クラスのアンプの中では比べる物はないほどの音に変身しました。しかし、この音が出るまでにちょっとしたハプニングがあったのです。各ケーブルコネクターを元どおりに差し込んだつもりなのですが全くウンともスンとも音が出ず、2度ほどやり直してやっと音が出るといった一幕もありました。結局奧までシッカリト入っていなかった事が原因でした。途中で誰かが眠くなると他の二人が元気が出てと交互に聴く音楽によって元気が出てきたり眠くなってきたりするのです。

 とにかくよく聴きました、気がついたらもう朝の7時です。最後に今日のアンプは「星いくつ頂けるでしょうか?」と、たずねますと、ご機嫌のN氏は大声で「星六つ!」と答え、今日のとおりにPA-01をモディファイしてほしいと言い残し、これから30キロほど離れた職場まで車で出勤です。居眠り運転などしなければいいのですが・・・・・。



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