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ナイアガラ サウンド/オーディオワールドで初お披露目



 一社当りのデモンストレーション時間が、1日1時間しかないので、充分に落ち着いて出来ないから、去年のように合同でやりませんか?という提案を、逸品館の清原社長から頂きました。その内容と目的は、セッティングとルームチューニングの大切さを訴え、プロの技術をお見せしようというものです。

 機材は全て逸品館が用意し、スピーカーの位置決め、角度あわせに始まり、インシュレーター、音響パネル等の重要性を訴え、音を完成させて行き、そしてそれを元に戻して行く過程を、見て、聴いていただこうという趣旨です。

 お互いが何をどれだけ喋るか、細かい打ち合わせ等は殆ど無くぶっつけ本番でやる事になり、流れは彼に任すことになりました。その中で、一つだけ私の要望を入れてもらいました。それは、ひととおりのセッティングを終えて、音が一番良くなった後にナイアガラの音を聴いて頂きたいということでした。


 すると、彼は心配そうに言う、「ナイアガラの音は、まだ聴いていませんが、”カイザーさん”恥じをかくかもしれませんよ」。「うちの電源タップは、レビトンのコンセントにクライオ処理をした最高のものだから」。と心配してくれた。

 私は「いっこうに構いません、私が精一杯の力で作った物を聴いて頂きたいだけなんです」。「どちらが音が良いとか、何の心配もしていません」。彼は、「解りました!」。・・・でもまだ少し心配してくれている様子ではありました。

 そうこうしている暇もなく、あわただしく準備に取り掛かろうとするのですが、70人前後の人で会場にはもう入りきれないほどです。また、連日の猛暑でエアコンも効きません。そんな中で音出しは始まりました。いいかげんに置かれたスピーカーからは、二つのスピーカーの位相が揃わず、音がにじみ、むしろ、1本で鳴らしたほうが澄んだ音がするという実演も効果があったようです。

 勿論、その後レーザーセッターで完璧に合わせた、ステレオの理想の状態を体験して頂いたことはいうまでもありません。一つ手を入れる度に、音が良くなっていきます。部屋の壁といったら事務所の間仕切りパネルですから、ペコペコで隣の部屋からは音が大きく漏れてくるし、特にフラッターエコーがひどかったですから、音響拡散パネルが大変よく効きました。これには皆さん感心していたみたいです。


 かくして、ひととおりの実演を終え、時はあっという間に過ぎ、残りあと5分くらいしかありません。「最後にカイザーさんの作った”ナイアガラ”という電源タップをお聴き頂きましょう」。という紹介の後に、18キロもあるブロンズで出来た本体を私が重たそうに持つ姿を見て、会場から「ウオー・・・」。という低い声が起こる。

 用意していた女性ボーカルのディスク、セシリー/ノービーを比較試聴の為に、まずそのままの状態で聴いていただく、ボリュームは集中して聴いていただく為に、あえて少し絞りぎみにする、会場に緊張の静けさはあるが特別な反応はありません・・・。2分位で曲を止め。そしてトランスポート、DAコンバーター、アンプとつないで接続完了。・・・「それではナイアガラの音をお聴きください」。・・・私自身このシステムでどんな音の変化が出るのか興味しんしんです、この一瞬の緊張感は何ともいえずスリリングです・・・。

 一音出た瞬間、会場は全員驚きの表情に変わりました。それも、一様にみんな”嬉しそうな、優しい表情”なのです。正に音楽に血が通い、命が吹き込まれた感じです。言葉を噛みしめながら、切々と気持ちを込めて歌う、彼女の感情が手に取るように伝わって来ます。電源タップ一つでこうまで音が変化するのかという驚きは、私を含め全員同じ気持ちを持ったようです。


 実はこの前に、ローゼンクランツのリファレンスシステムで初めて音出しをした時の感想をこのウェブで述べていますが、その時は音楽の表現は何一つ変わらなかったわけです。そうしてみますと、作った人間の個性が物に確実に表れるのでしょう。

 その後、清原社長が、実はその前にこういうやり取りが二人の間であったんですよ、といって、先ほどの件を打ち明けました。そして、彼いわく、カイザーさんの作ったタップは名画家が描いた油絵のようで、私のは隅々まできれいに写った写真のようですねという事でした。ちなみにこのナイアガラの価格は40〜50万円位になりそうです。


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