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ピニンファリーナのスピーカーと車



 ピニンファリーナの名は車のデザインではあまりにも有名ですが、実はスピーカーのデザインも手がけていたのです。ひょんなことで思い出したのですが、アリアンテというイタリアのメーカーのZETAというスピーカーがそうなんです。数年前に私のお客さんに買って頂いたものですが、そのあまりもの音の素晴らしさにスペアーとして持っておきたいと追加購入されたほどの逸品なのです。

 B&Wの805signatureと価格は同じでサイズもほぼ同じです。しかし、両者の音は高い次元の中で全くの正反対です。805は寸分の狂いも無い優秀で正確なモニター型、ZETAはたっぷりと濃厚な音楽を聞かせてくれます。

 そのZETAというスピーカーを手放したいとの相談があったのです。長く持っていても聴かないままだと機械モノは良くないからというのが理由のようです。確かにその通りなので引き受けさせて頂きました。ですから、当社の試聴室で今は毎日のように鳴らしています。クラシック全般に良いのですが特に人の声が何とも魅力的です。またバイオリンの音も素晴らしいですね。

 そんな日々を過ごしている内にピニンファリーナがデザインしたプジョーの406クーペが気になってくるのでした。手作りの良さを残す最後の車といってもよい名車です。一度も運転した事ありませんがシートに座ったことだけはあります。その時の感覚はイタリアとフランスの両者の丁度良いバランス感が未だに後ろ髪を惹かれるような気持ちとして残っております。

 私の407はまだ4000キロしか走っていませんので本当の良さは未だこれからだろうとは思うのですが、今のところ車に乗っているというより乗せられているといった感じの方が強いです。コンピューター制御の部分が多くなったせいでそう感じるのだろうと思うのですが、つなぎ目のスムーズなアイシン製6速オートマもそう感じさせるのかもしれません。どこといって問題のないところが実は唯一不満なのです。

 そこらあたりが10,000キロを過ぎたあたりからどのように変化してくるのでしょうか、先行き期待感はちょっと薄めの今日この頃です。そんな日々ですから2台目のカーオーディオ・デモカーとして作り上げる気持ちが後ろ向きなのです。「この車でこういう音を作りたい!」と具体的なイメージとやる気が出てきて欲しいのですが、こればっかりは自分の気持ちに嘘をつく事が出来ません。

 そんなある日406クーペに乗ってみました。40,000キロほど走った2002年式でしたが、アクセル及びハンドル操作に一体感があります。特に4速オートマはメリハリ感があって動き止るといった挙動には人の持っている感覚に近いものを憶えます。それと同時に何かホッとするような感じもあって居心地の良さも気づかせてくれます。お互いが故郷訛りで話しているようなリラックス気分にもなれるのです。運転し終わってを車を降りドアーを閉め、3メートル位離れたところから目に入る406クーペのシルエットを見た時に何てカッコいいんだろうと思いました。 

 表示価格は278万円。見積もりしてもらいましたが総額500万近く掛かった407とすり換えでした。半年で200万円の落ちはいくらなんでも無駄使いが過ぎると今回はあきらめました。でも406クーペ良かったなぁ・・・。


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