ランチアカッパに於ける、「馬ノリ・加速度組み立て」は前輪駆動用として試み大成功を収めることが出来た。今回は当社の上得意さんである、プロドライバーK.Y氏のハイエース4WDの加速度組み立ての機会を得たので、その様子を動画にて初公開です。
どんな感想が戻ってくるのか?
興味は尽きない!
加速度組み立て前の試乗 ハイエース4WD
滅多に褒めない私ではあるが、このハイエースはワンボックスカーとしての完成度はパーフェクトだと思っている。スクエアーな形状は荷物の積載に優れているし、何よりシャーシーと車軸の位置関係が素晴らしい。トヨタ全車の中でも3本の指に入る傑作であろう。
今回はリフトを使わず、ジャッキで上げた後に馬をかましてやることになった。
足回りには特に興味があるので沢山写真に収めた。乗用車仕様の3ナンバーだけあって素晴らしい構造の足回りだ。18インチホイールと40タイヤにも関わらず、たおやかな乗り心地に驚きを覚えると同時に納得させられた。
ただ、スムーズさに欠ける走りは結構なストレスとして出ている。果たし加速度組み立てによってどんな風に生まれ変わるのか興味が尽きない。今まで積み重ねてきたスキルとノウハウが試される時である。
ハイエース4WD タイヤの取り外し@
ハイエース4WD タイヤの取り外しA
4WD用の加速度組み立て設計図
この設計図に従って組み上げて行くのだが、その考え方はタイヤとホイールの振動の抜けて行こうとする各々の方向性の角度を4輪それぞれに微妙な間合いを持たせている。ジャズミュージシャンのアドリブセッションのイメージである。
ダンサーがステップを踏むように、
軽やかに!
リズミカルに!
走りたいという車の”Gの意”の力を利用してやるのである。
一般の車はエンジンの力で否応なく走らされている。
言い換えると、常に馬の尻に鞭を入れているのである。
そんな車に乗っていても楽しくないし、乗りたくもない。
車と乗り手がお互いに嬉々とした関係でありたい!
ホイールのボルト締めトルクコントロール ハイエース4WD
振動ドリルで締めるようであれば、何十年やっても締め具合の加減を手と脳が覚えることはない。トドちゃんにはこの手締めの感覚をかれこれ20回は経験して貰っている。
彼のレンチが勝手に動いているのが分かる。
本気になると相手が教えてくれるのである。
その動きは私の判断よりも遥かに早い!
何故ならば考えていないからである。
彼の手の動きは本当に素直である。
これは教えて出来るものではない。
真剣に向き合っていると勝手に手が動くようになるのだ。
マニュアルで人間を道具のように使う西洋的考えでは、
決してこの境地に至ることはない。
この日本流が今失われようとしている。
トドちゃんは立派なタイヤ職人に成って欲しい!
下の左の写真が処置前で右が加速度組み立て後。この写真を見た時に両者の発するエネルギーの違いが分かるだけの眼力が養われないと、一流の職人にはなれないのだ。果たして、この違いが分かる人が何人いるのだろうか・・・。
集中して観て欲しい!
発するオーラの違いを・・・
加速度組立・直後の試乗 ハイエース4WD
「トドちゃん! 頑張ったから晩飯をご馳走しよう」
「何がいいかな?」
『和食以外なら何でもいいです』
「残念だったなぁ!」
「寿司食いに行こうと思ったのに・・・」
『えッ! 寿司は和食ですか!?』
「何言ってんだ! 寿司は和食はだろう・・・」
その後、三人で焼き肉の食べ放題の店に行った。