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CXの足回りを「加速度組み立て」

CX付属タイヤのまま「加速度組み立て」

CXとの仲を深めるべく懇意のタイヤ屋さんで、CXに「加速度組み立て」を施しました。タイヤには8分の山が残っていたので、勿体ないないのと乗り味の向上度合いを見る意味もあり、新品交換するのを留まりそのまま使う事にしました。

カイザーオペル号の加速度組み立てを一年ほど前にやって貰っていたので、タイヤマンのH.T君とは呼吸も合って作業はスムーズに進んで行きます。彼と私は親子ほど年が離れています。ご近所の老舗のタイヤ屋さんの跡取りです。だから、仕事への取り組む姿勢が違います。

彼のような人物を見ているとついつい応援したくなります。私のオーディオにかける情熱を説くと、彼の目の輝きが増すのが分かります。カーオーディオには関心が高いようなので、近い内にカイザーサウンドの試聴室へ来る事になりました。

このページを初めてご覧になる方にとっては、「加速度組み立て」なる言葉が何を意味するものなのかさっぱり分からないと思うので、改めて説明したいと思います。スピーカーを楽器並みの音に変身させる、カイザーサウンドが開発した独自の技術の呼称です。

スピーカーの各ユニットのエネルギーの方向性を、低・中・高と揃える事によって音の調和を図ると共に、ネジの配置転換とそのトルクをコントロールしながらエネルギーバランスを取る技術です。

その応用編を車のホイールとタイヤに施し、車とドライバーを馬が合う状態に持って行く事を目的としています。

先ずはタイヤとホイールを4輪ともバラバラにして、相性の良いパートナーを決めます。次はホイールとタイヤの方向性をチェックし、両者の重心の向きを揃えた状態で組み直し、ホイールバランスも改めて調整し直すのです。


バランサーに表される数字の見方を教えて貰った

新しく装着したホイールとタイヤをバランサーに装着して回転すると、内側と外側に取り付けるべくウェイトが表示されます。今回の場合は内外とも15gです。5g刻みでの表示なので、詳細を知りたい場合はFキーを押すと14gと17gと出ます。

次に指定の位置に裏表とも15g装着してバランサーにかけると結果は0と0が表示されバランスが取れた事を知らせてくれます。この場合10g以内はO.Kと見なされるそうです。詳細を知りたい場合は再度Fキーを押すと内側が0外側が2と出ます。

タイヤの中には取り付けの向きを指定したものがあります。気をつけて見るとOUTSIDEという文字が目に入りました。乗った感じや持った手応えから今回に限っては裏表を逆にした方が良いとの判断を下しました。

タイヤの裏表や回転方向を指定してまで性能を上げようとする考え方には、トレッドパターによる雨天時の水切り効率とコーナリング時に於けるグリップ力を上げる為に、外に向って腰砕けにならないよう外側を固めに作っているのではないかと推測します。


メーカーよりも自分を信じて行う加速度組み立て

しかし私の加速度組み立てというのは、タイヤその物が回りたくなる方向を見抜いて決めています。この際なので思い切って種明かしをしましょう。熱く解けた状態のゴムがタイヤとなって形成される時間軸の過程で、どの方向に向って固まって行ったのかを見ているのです。

その状態を戸籍簿管理と私は呼んでいます。それらを総合的に見ながら、どう組んでやると回転運動が円滑になるかに尽きます。通常であればメーカー指定に従うのが鉄則ですが、場合によっては逆の方が良い場合もあると思います。

現に私が身を置くオーディオケーブルの業界に於けるその方向性の明示に至っては、極めていい加減で、反対にして聴いた方が音が良いといった事がしばしばです。

その理由は最初に線引きした時の方向性で決めているのだろうと思うのですが、その後に掛ける絶縁材や防振材、あるいは端末端子等による方向性の影響を受ける事によって、最終的に方向性が行ったり来たり変わるのです。

そうした事が起こり得るといった検証すらしないケーブルメーカーが殆どであります。中には「音が良いと思う方向に繋いで下さい」と逃げを打つメーカーさえあるのです。無責任と言わざるを得ません。

タイヤの話から大きく脱線してしまいましたが、オーディオの話となるとついつい熱くなってしまうのは、嘘がまかり通っている方向性問題に関して日頃から鬱憤が溜まりに溜まっているからなのでしょう。

方向性には誰よりも拘りを持っていますので、今回のタイヤに関しても自分の勘を信じてテストしてみたくなるのです。そうする事によって人より多くひとつ経験を積む事が出来るようになります。

この冒険心・探究心こそが人の先頭に立つ者に欠かせない重要な要素であります。こうして、私の場合は自分を信じて色々な事をテストしてみるのです。今回は敢えて、メーカー指定とは反対に内と外を入れ替えて組む事にしました。

外した20本のボルトを左右に振り分け、更に前後も分類し取り付ける場所を4ヶ所に配置します。ホイールの穴と車軸の穴の相性を見切って、この穴をこの位置にして欲しいと頼みます。そばについていてボルトを1本ずつ手に渡し、その順番に時計回りに付けて行きます。勿論電動工具は使わず手の感覚で締めます。


走りのフィーリング

さて、出来上がりました! これから試運転です。お台場周辺が私のテストコースとなっています。この日はレインボーブリッジの近くで花火が上がっていました。真っ先に感じたのは直進性です。飛躍的に向上しました。CXの馬力はハッキリ言って弱いです。しかし、加速していく時にエンジンが「ヒュ〜ン」という、生き物の声と錯覚するような音を奏でるのです。

このサウンドが何とも心地よい響きなんです。速くはないのに速く走っている錯覚を起させます。ハーレーの単気筒に相通じる魅力と言えば分かって貰えるでしょうか・・・。全長4,930、排気量2,500ccにも拘らず車両重量は随分軽く、1,450kgしかありません。

ロングホイールベースならではのゆったりとした乗り心地がCX最大の魅力です。布製のシートはザックリとした肌触りで滑り難く、見た目よりしっかりと腰をホールドしてくれるフランス車ならではのフィーリングを持っています。

しかし、足回りの乗り心地感に関しては、CXを買いかぶっていたのか、私の期待値よりはちょっと下回りました。過去に乗った5台に上るエグザンティア・XMの事を思い出してみるのに、スフィア球が減りかけた時の乗り味と共通する感じを思い出しました。僅かに路面の継ぎ目あたりでゴツゴツした固さを覚えます。

残念ながら空飛ぶ絨毯にはなりませんでした。本当は今すぐにでもスフィアを全部入れ替えたいのですが、5月の車検まで現状のままでしばらく付き合ってみようと思います。車検を受けるのが今から楽しみです。

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