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上山博康という脳神経外科医
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NHK番組のプロフェッショナルという、茂木健一郎がナビゲーターを勤める番組です。上山博康(かみやまやすひろ)脳神経外科医の話には心を打たれました。一日睡眠時間4時間で年間300人の手術をこなすハードな人生です。
「患者は医者を信じて手術台で目を閉じるのです」。
「真剣勝負ですから五分と五分の覚悟がなければなりません」。
患者さんには覚悟を持って言い切るそうです。
「手術を勧めるということは自信があるからです」。
「そうでない場合は勧めることはしません」。
失敗した時の逃げ道を用意したような話ですと不安になるでしょうから、上山医師のように「自信がある!」と強い覚悟で勧めてくれるほうが患者にとっては有り難いのではと感じました。
『そこまでの信念は何がそうさせるのですか?』。
「プロとしてのプライドであり戦いです」。
「それを生業(なりわい)としているなら当然です」。
脳卒中の権威といわれた秋田の伊藤善太郎医師の見事な手術に惹かれ、彼の元で勉強したそうです。
手に負えないような症状の場合であっても上手く行かなかった時には、伊藤医師は家族の方に対して『力及ばず申し訳ありません』と必ず詫びたそうです。
「失敗でもない場合は詫びる方がおかしいのではないか」と上山がいぶかしがると・・・。
『医者の原点とはそういうものだよ』。
伊藤医師はそう答えたそうです。
「そんな教えが今の基になっていると思います」。
20年ほど前に行なった47歳の男性の脳腫瘍の手術に関しての話です。
『二人の息子が独り立ちするまでは死ぬわけにはいかない』と言って、
笑いながら手術台に向かったその時の笑顔が思い出されて・・・。
「すみません」。
その手術の失敗を思い出し、インタビュー中にこらえきれずに泣き始めたのです。
残された奥さんは泣くばかりでしたが、しばらくして息子さんは、『父親は上山先生の事が好きだといっていました』。
『本人が信頼してお願いしたのですから、失敗を許すとか許さないとかの問題ではなく、精一杯の結果ですからそれでいいんじゃないでしょうか・・・』。
その息子さんの言葉に力を貰ったそうです。
番組の最後に上山医師は力強く次のように語っておられました。
「過去を通した自分の生き様を好きになれる」そうありたいです。
見ていて目頭が熱くなりました。
番組の最後に上山医師の大写しの笑顔が心の中をすべて物語っていました。
顔と心が一つに見えた瞬間でした。 |
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