振動放出が苦手な素材のボード
人工大理石ボードについて電話相談を頂きました。ただ材料を裁断しただけの寸法比の良くない物が殆どなので、畳やカーペットの時は別にして床がフローリングの場合は外した方が良いでしょう。
無難な傾向の音は”可もなく不可もなく”、能力的には中の下クラスです。更にレベルの高い音を希求するのであれば、インシュレーター共々ボードの見直しは避けて通れません。
では硬い御影石はどうでしょう。スピーカーの発した振動の殆どは反射してスピーカーに逆流し、そのぶつかり合いによって生じたピーク・ディップが、ある帯域に発生します。決して膨らんだ低音が出る事はありませんが、その音は固くキツイのが特徴です。
ゆるゆるの音に悩んでいる人にとっては、地獄で仏に出会ったかのように思えるかもしれません。しかし、時間が経って冷静になると、潤いのない対極の音に悩む事になります。
このようにハッキリとした口の開け方をすると角が立ってしまいますが、それが出来る立場にある者は消費者に本当の事を伝えなければなりません。これらは日本全国を回り、数多くのクリニックをこなして来て私なりに出した答えです。
何事も丁度良いのが良いのです。
答えはこの言葉に尽きます。
しかし、そこに至るまでが難しいです。ローゼンクランツ製品はどれも丁度良い所を狙って作っています。
スピーカーの足場はとても大切
長い電気経路を通り、スピーカーを動かすまでの力に成長したエネルギーも、音に化ける事を許されているのはスピーカーだけです。良くも悪くもオーディオとはスピーカーに頼るところが大きいのです。
その肝心なスピーカーの音楽を奏る環境を作ってやるのが、陰の功労者であるスピーカーボードやインシュレーター達です。足場の仕事は素早い振動放出が命です。その為には素材選びに始まり構造や形状等の優れた設計力が問われます。
”サウンドステーションSS”のDNAは、次の数字で構成されています。31.5、63、84、94.5、157.5、これらのカイザー数値は、どこからどこへでもスムーズなエネルギー移動が可能です。あるいは何周期目かに出会う関係にあるので、足並みが揃うと共にノリの良いリズムが得られます。正にカイザー理論の根幹です。
根太の幅をエネルギーの進行方向に向けて細くしてあります。優れたクロスパターン構造により、四方八方に振動が放出されます。倍音寸法のカイザーピッチで振動の起点を決め、ボタンヘッド・ボルトのネジ止め式だからリズムと抑揚感が出ます。
音の走り(木の呼吸)を殺さない、ドイツ製植物オイル(パインカラー)にて仕上げています。世にオーディオボードは数々ありますが、ここまで音楽と音を知り抜いた上で設計されたオーディオボードは、ローゼンクランツのサウンドステーションを除いて他にありません。音には圧倒的な自信があります。