第1章 既存のスピーカーケーブルが理想とする机上の空論からの脱却
理想のケーブルの実現に向けて全エネルギーをぶつけます
当社のオリジナルスピーカーのフラッグシップとして展開しております、カーディナルシリーズ発表時に提唱させて頂きましたように、振動しないエンクロージャーを作り出すことによって、オーディオ的トランジェント等をより追求しようという既存のスピーカー設計理論の暴理を問題提起させて頂きました。
'05年より当社が手掛け始めた”ケーブルルネッサンス”の最終章である、この度のスピーカーケーブルに於きましては、固有の癖を取り除く事によってバランスの取れた音楽性再現を目指そうとする、既存のケーブル設計理論の修正及び否定する事を目的としています。
絶対に排除する事の出来ない絶縁材や導体その物が持っている固有の音色の癖から逃れることはどこまで行っても不可能です。癖を嫌って排除する考え方には、早い段階での限界、頭打ちがハッキリと見えています。
一見理論的で筋が通っていそうな、この癖を無くす(ノンカラーレーション)という考え方は、長年に渡って作り手側と聞き手側の間で合意が得られていますが、実はそれがオーディオ理論の基礎の段階でのボタンの掛け違えどころか、最大の間違いが最初の一歩から始まっていたという現状を、これを機に声高に宣言し、改革したいと考えるものであります。
世界中のケーブルメーカーがどう取り組んでも成し得なかった事を成し得る為には、「今までとは全く違った所に答えが有る筈!」との睨みをつけたところから全ては始まっています。高い性能の工業製品を作ろうという考えではなく、誰が聞いても感動する曲を作る、あるいは演奏する、という芸術的アプローチでケーブルを作る事にしたのです。
毒には毒をもって制す
”ノンカラーレーション”=癖の無いケーブルを理想に掲げて開発している限りは、無限にある癖の極地に向かうだけの物作りに他なりません。その極に振れた魔性の音に惹かれて、好みの音に近づけようとすればするほど迷路に入り込んでしまう罠や危険が待っています。
RGBaシリーズケーブルは潔癖症的な考えを捨て、出来るだけ多種な癖(魅力)を持ったケーブルを作ろうという、「毒には毒をもって制す」の逆転の発想で取り組みました。その多種多様な癖を持つ事が癖の無さに繋がります。
恐れ知らずの敵陣突破にも似たこの戦略(設計理論)が成功した暁には、再生音から全てにバランスされた音を出す事が可能となります。何よりもRGBaケーブル自身の音がそれを証明する事になります。
このように一貫して全製品に渡って既存のオーディオ理論への見直しを問いかけてきた当社ではありますが、中でもこの度のRGBaスピーカーケーブルはとりわけて当社の一モデルの新型が出来た事にとどまらず、聞き手側、作り手側といったオーディオ業界全体に、今のままの”志向性で良いのか?”という大いなる問いかけになっております。
第2章 音を押し出す時よりも、音が引いて行く時が問題だ
手作りでしか成し得ない匠の世界
数々のオーディオクリニックで判明してきた事ですが、ハイエンドオーディオの機材・アクセサリーは、細かい作り込みが行き届いていないせいで根本的に音の出方に問題が発生しているものを、不必要な超高性能さで強引に解決しようとしているものばかりなのです。
既に足らないのは絶対性能ではなく、細かい作り込みと工夫による、いわゆる「さばき方」といった部分にあるのです。それはまるで、自分の身の丈から不自然なまでに筋肉を付け過ぎたアスリートが過剰な己の力で、自らの肉体を故障させてしまう現象に似ています。
芸になっている水準とは何事も押し引きの適時さと、押し引きに於けるお互いの量の加減が絶妙に弁えられているものです。
ハイエンドオーディオもそろそろシャカリキさと、めくら撃ちといった段階から脱却して、自分の過ぎたる性能が逆に足を引っ張ってむしろ音楽を失っているという非効率極まりない状態を見直すべき時期に来ています。
もっと残念なのは肝心な音はそっちのけで、見た目の美しさとゴージャスさを競い、とにかく売れる物、儲かる物を作る事に一生懸命なのですから、それではラスベガスのカジノと変わらないではありませんか。
第3章 RGBaシリーズケーブルの設計の詳細
長さが持つ音楽との関係性を究明する
音楽の要素の大半は長さが握っています。その長さという事にかけては、音の良し悪しには周期性があると発表した”カイザーゲージ”に代表されるように、”カイザーサウンド”はその道の強者です。
美しい音、力強い音、優しい音、暖かい音、寂しそうな音等々・・・。そんな色々な表現の出来る長さの組み合わせを、ケーブルの中で作ってしまおうという斬新な試みです。
インピーダンス変動が最重要課題
ケーブルの始点から終点まで同じ作り方の物ならば、終始同じ表現しか出来ないものです。それは一旦つまづくと、将棋倒しの如く修復出来なくなります。その原因を引き起こすのは、複雑怪奇な負荷を持つ音楽信号がケーブル内を通過する度に、インピーダンス変動値が大きくなってしまうからです。
音楽再生に於けるケーブルに求められるべきは、直流抵抗の少なさでもなく、周波数特性の優劣でも無く、はたまたS/Nの良さでもありません。先んずるべきは、重んずるべきは、達成されるべきは、インピーダンス変動の少なさであります。
誰にでも分かる言葉に置き換えれば、「物理的高性能ケーブルではなく、音楽適応型ケーブル」でなければならないという事になります。
アンプの機能を持ったスピーカーケーブル
それが実現出来ればアンプに負担が掛からずスピーカーは楽々と鳴ってくれます。スピーカーを鳴らし切れないのはアンプではなく、ケーブル側に原因があったという事を強く認識して欲しいのであります。速い車(凄いアンプ)を作るよりも、走り易い道路(音楽適応型ケーブル)を作る事に目を向けるべきであります。
RGBaスピーカーケーブルは非力なアンプでも大型スピーカーを鳴らし切ります。スピーカーのドライブ力を上げるには、コンデンサーに大量の力を蓄えた大出力アンプが絶対という見方、考え方が当たり前となっていますが、そうとばかりは言い切れません。むしろ押しが強過ぎて、スピーカーユニットの戻りの動作に悪影響を及ぼします。力の入れ過ぎ(力み)が良くないのは、ゴルフ、野球等、あらゆるスポーツで証明されています。
リズム感と抑揚そして多彩な音色表現
RGBaシリーズは魅力ある音色になるように、幾通りもの長さのパターンが組み込まれていますので、たとえ途中で曲の変調が起きたとしても、得意とする分野が入れ替わり立ち代りしてそれを受け持ちこなしてくれます。それと同時に、同じ癖の音が長く尾を引かないので、リズム感や抑揚といった音楽のノリの部分が自然な形で再現出来るようにもなります。
RGBaスピーカーケーブルを繋いだその日から、貴方のスピーカーが生まれ変わったかの如く明るく楽しく軽やかに鳴り始める事でしょう。
唯一ご理解賜りたい点
繋ぐに足りる必要な長さのケーブルという縛りを度外視して、「今考え得る最高の音を作るのに必要な構造設計を折り込むとこうなった」という考えでスタートしました。
※スピーカーケーブルは、
2.7kaiser(2.835m)以下の長さでは作る事が出来ません。
■スタンダードモデル
SP-RGB1a/2.7kaiser(2.84m)
\52,500(税込み)、0.9kaiser(94.5cm)長くなる毎に\10,500ずつアップ
■ハイグレードモデル
SP-RGB2a/2.7kaiser(2.84m)
\157,500(税込み)、0.9kaiser(94.5cm)長くなる毎に\31,500ずつアップ
■ブランド名を冠した最高級モデル
SP-Rosenkranz/2.7kaiser(2.84m)
\388,500(税込み)、0.9kaiser(94.5cm)長くなる毎に\52,500ずつアップ
■ピンケーブルは、
PIN-RGB1aだけが0.9kaiser(94.5cm)が可能で、
PIN-RGB2a以上のモデルは1.8kaiser(1.89m)以上の長さになります。
ピンケーブルの詳細はこちらです