キーポイントは歯と歯ぐきの構造濁りが取れ低域が豊かに |
井上 千岳 |
ユニークな理論と実践的な製品で話題を集めているローゼンクランツの新しいモデルである。アンプやCDプレーヤー、スピーカーなどの下に置くベース。真鍮とハンダを素材としている。キーワードは母と歯ぐき。真鍮の間にハンダを入れることによって、いわば歯ぐきの役割を持たせる。
真鍮部分が歯にあたるわけだ。そしてピンポイントのベースと受けざらの組み合わせによって、振動減衰を万全なものとするのである。既にローゼンクランツでは同じ形状のベースを以前から発売しているが、それは真鍮の中にハンダを流し込んで振動を抑えた構造。本品は発想が違う。ただ素材は共通だが、真鍮はベース材として好適な上、楽器にも使われているくらいだから、たとえ振動しても悪い響きにはならないということを筆者は聞いている。
効果はというと、低域が逞しく豊かになり、音に厚みが加わる。そして濁りが取れる。特にCDやアンプに有効。手ごたえ確かな製品である。
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オーディオアクセサリー・・・86号 |
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独自の構造で、音場の見通しが良くなり、軽快感が増してくる。 |
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山之内 正 |
真鍮ブロックとハンダを組み合わせた独自構造のインシュレーターで、スパイクとベースで構成される。
ハンダの部分は振動を適度に減衰させる役目を受け持つ。硬軟異なる性質を持つ素材を組み合わせることによって、不要振動を効果的に吸収することが狙いだ。小型のインシュレーターだが、ずっしりと重く、叩いても金属質の音は殆ど鳴らない。スパイクを利用したインシュレーターとしては取り扱いが楽で、設置に神経を使う必要はない。
1650Rの底板とラックの間に挿入して試聴した。オルガンの重厚な響きはそのままに、全体に音場の見通しがよくなる。試聴システムの中低域で気になっていた少し重たい響きが一掃され、各声部がきれいに響き合うようになった印象だ。声や弦楽器の微妙なニュアンスやクレッシェンドの表情も、使用前に比べてリアルに聴き取れるようになった。ジャズポップス系ではピアノやベースの立ち上がりが鮮明で、軽快感が出てくる。ボーカルはどの帯域もふくらまず、低音から高音まで、素直に伸びている。太いエレキベースの音もタイトに締まる。
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オーディオアクセサリー・・・91号より引用 |
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